【UUUMグループ「P2CStudio」、後払い決済「atone」導入の理由は?】「若年層の新規顧客獲得が決め手」

クリエイターのマネジメント事業を手掛けるUUUM(ウーム)グループで、クリエイターの商品開発などを手掛けるP2C Studioは、クリエイターのグッズを販売するECサイト「MUUU(ムー)」や、ブランド展開するクリエイターのECサイトなど複数ストアを運営している。

P2C Studioは2021年6月に設立し、今年で4年目を迎える。「P2C」とは、Person to Consumer(パーソン・トゥー・コンシューマー)のことで、「ヒトを起点としたブランドづくり、モノづくり」の実現を目指しており、クリエイターと接点がない人にも購入してもらえるようなブランド作りも進める。

MUUUではクリエイターが展開するYouTubeやインスタグラムなどSNSを接点にファンがECサイトでグッズを購入している。

クリエイターがオリジナルブランドとして運営するECサイトでは、ファンのみならず幅広い顧客を獲得しようとしており、Amazonや楽天市場などにも出店して接点を広げる。リピートが見込めるプロテインやヘアケア化粧品などの消耗品を販売するケースが多い。「例えば、フィットネス関連動画の親和性でプロテインを監修しているクリエイターもいる」(ECソリューショングループ 塩澤将輝氏)と言う。

「MUUU(ムー)」で販売する商品は、Tシャツなどのアパレルのほか、アクリルキーホルダーなどのグッズ、バッグやスマホケースなど多岐のジャンルに渡る。クリエイターが行うイベントでグッズを販売したり、クリエイターブランドではポップアップストアで先行商品を展示し、QRコードでECサイトに誘導するなど、ブランドサイトへ集客することで売り上げ拡大を図っている。

今後は、EC化率を高めるためにCRMツールを活用検討するほか、リピート購入してもらえるような仕組みの開発に力を注ぐ考えだ。

<「atone」導入>

P2C Studioでは、利用可能決済手段としてクレジットカードとキャリア決済のみで、EC運用を開始した。

ECサイトのユーザーは20~30代が中心。10代のユーザーも多く、両親のクレジットカードでの決済や、キャリア決済の利用が多かった。一方でキャリア決済では、限度額が低く設定されていたり、手数料が高めに設定されているなどの課題があったという。

また、キャンセル時の対応が煩雑なことで業務負担となっていた。「atone(アトネ)」導入前には若年層も利用可能なコンビニ前払いを導入していたが、支払い完了までの在庫管理の工数や期限内に支払われずキャンセルになるなど課題があった。「収益や工数を考えたときに、若年層でも利用できる他の決済手段を検討していた」(塩澤氏)と話す。一般的なカゴ落ちが7割と言われる中で、決済手段の拡充はカゴ落ち改善に有効な一手というのが導入の背景にあるという。

▲atone(アトネ)

複数の決済手段を検討するなかで、運用の工数が減り、若年層を中心とした新規顧客獲得も見込めることが決め手となり、2022年3月にネットプロテクションズが提供する、後払い決済「atone(アトネ)」(翌月後払い)の導入を決めた。導入後の取り扱い推移も好調だったため、「MUUU(ムー)」への導入をきっかけに、クリエイターブランドのECサイトへの導入が進んでいるという。

さらに、2023年5月にSMS認証で利用できる「つど後払い」を導入したことで、課題だった決済前のカゴ落ちが減少したほか、「atone(アトネ)」の利用者が全体の約20%にまで増えるなど後払い決済に対するニーズの高さが顕著に表れた。また、課題となっていたコンビニ前払いのキャンセル処理にかかる業務量なども大幅に削減した。「『atone(アトネ)』はEC上の決済がシームレスなので選ばれているのだと思う。導入時の手順書も分かりやすくスムーズに稼働できたほか、問い合わせには迅速に対応をしていただいておりサポート体制にも満足している」(塩澤氏)と話す。

2025年春ごろに開始する有料会員向けサービス「atoneプラス」にも期待感を示す。塩澤氏は、「当社のECサイトには現状会員プログラムがないため、『atoneプラス』を導入することで、ポイント利用促進や高額商品の分割払いが可能になるので期待している」と話している。

【後払い決済「atone(アトネ)」サービス概要】

「atone」は、通販・実店舗ともに使えるスマホ活用型後払い決済サービス。購入者は買い物をした後で代金を支払うことができ、銀行口座やクレジットカード情報の登録やチャージも不要で、すぐに利用できる。atoneを導入した通販会社はカゴ落ちを防止できるので、売り上げロスの減少につながる。実店舗では、あえてクレジットカードを使わない購入者を取りこぼすことなく、店舗のキャッシュレス化を推進できる。ポイントプログラムも導入し、新規獲得・リピート率向上や購買単価の向上にも貢献できる。