GMOメイクショップ、須坂市動物園のDX推進を支援 産学連携で地域産業活性化

GMOメイクショップは8月26日、長野県須坂市、名古屋大学大学院情報学研究科、中京大学工学部、OpenFactoryと、「須坂市動物園におけるDX推進に向けた連携に関する協定」を締結した。須坂市動物園のDX推進による事業活性化を支援する。

GMOメイクショップは、2024年5月1日に代表取締役社長CEOの向畑憲良氏が香川県坂出市の「DX戦略アドバイザー」に就任するなど、地域産業の活性化を目的に地方のEC・DX支援に注力をしている。

このほど、GMOメイクショップ、長野県須坂市、名古屋大学大学院情報学研究科、中京大学工学部、OpenFactoryは、各機関が持つ専門性を活かし、須坂市動物園のDXを推進することで、動物園の集客力の強化とブランド価値の向上を図り、事業を活性化させることを目的に、「須坂市動物園におけるDX推進に向けた連携に関する協定」を締結した。

GMOメイクショップはECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」の提供と運営サポート、長野県須坂市は須坂市動物園事業の推進、オープンデータの提供、名古屋大学大学院情報学研究科はデータの利活用によるビジネス機会の創出と産官学民連携による地域情報化、中京大学工学部はモノづくりオープンデータの活用と地域課題解決、OpenFactoryはプリントオンデマンドサービス「Printio」の提供による、動物園オリジナルグッズ制作・EC販売・運用のサポートを担う。

今回の協定締結にあたり8月26日に、GMOメイクショップが提供する「makeshop byGMO」で構築した須坂市動物園の公式EC「須坂市動物園オフィシャルショップ」をオープン。OpenFactoryの「Printio」によるプリントオンデマンドを活用したオリジナルグッズのEC販売をサポートする。オリジナルグッズの製作には、須坂市が提供する須坂市動物園のオープンデータが活用される。デジタル技術を駆使することで、来園者だけでなく、遠方に住むファンも動物園のオリジナルグッズをECで購入できるようになる。

今回の連携を通して、デジタル技術を活用して動物園とファンとの継続的な関係を構築するという新たな動物園運営のあり方を提案していくとし、動物園のブランド価値を向上させると同時に、EC販売を通じた新たな収益源の確保につながり、結果として動物園の収益増加はもちろん、地域経済にも積極的な波及効果を見込んでいる。

行政、教育機関、企業という5つの機関が連携する須坂市動物園のDX推進は、地域連携を通じて実現する先進的な取り組みとして、動物園の持続的な発展と地域社会の活性化に貢献を目指す。

近年、多くの動物園が抱える課題として、来園者数の減少と運営資金の確保がある。特に日本の公立動物園は、運営費のうち入場料収入で賄えるのは全体の3分の1にとどまり、残りの3分の2は自治体が負担しているという現状があり、集客の強化はもちろんのこと、入場料収入や税金だけに依存しない自主財源の開発が必要不可欠となっている。

須坂市動物園も例外ではなく、動物園入園者は2007年の約24万人から2018年は約13万人と減少傾向にある。こうした状況を受け、GMOメイクショップ、須坂市、名古屋大学、中京大学、OpenFactoryは、「須坂市動物園におけるDX推進に向けた連携に関する協定」の締結に至ったとしている。各機関が持つ専門性と強みを活かし、須坂市動物園のDXを推進する。

GMOメイクショップは、「makeshop byGMO」のサービス提供と運営サポートを通じて、須坂市動物園の収益化に貢献し、ひいては地域社会の発展に貢献していく考えを示した。

9月19日には、長野県須坂市役所で「須坂市動物園におけるDX推進に向けた連携に関する協定」の締結披露式を開催し、協定の概要説明や関係者によるコメント、今後の展望などを発表する。

【各機関の代表者コメント】

・須坂市長 三木正夫氏

このたび、GMOメイクショップ様と、長野県須坂市、名古屋大学大学院情報学研究科様、中京大学工学部様、OpenFactory様と、「須坂市動物園におけるDX推進に向けた連携に関する協定」を締結いたしましたこと、GMOメイクショップ様が展開するECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」のサービスをご提供いただき、須坂市動物園のDX推進と活性化事業について支援いただきますことに感謝とお礼を申し上げます。

近年、当動物園は来園者数の減少や施設の老朽化、飼育動物の高齢化、運営資金の確保といった苦境に直面しており、独自の存在意義を打ち出そうとする中、飼育員発案によるオープンデータを活用したオリジナルグッズの制作を思案していたところ、このような機会に恵まれ改めてお礼申し上げます。

デジタル技術を駆使した先進的な取り組みをGMOメイクショップ様と共に推進していくことを心より楽しみにしております。

・名古屋大学大学院情報学研究科 研究科長 北栄輔氏

この度は、須坂市動物園様でのDX推進に向けてご一緒できますことを大変喜ばしく思っております。名古屋大学大学院情報学研究科では、新たな価値を創造するための総合的学問である「情報学」を構築することを目的として、日々研究・教育を推進しております。

今回の取り組みにあたり、直接の実施担当者である社会情報学専攻の遠藤守准教授からは、須坂市が故郷であることや須坂市とは10余年にわたりオープンデータ推進の取り組みを産官学民の連携によって進めてきたことなどをうかがいました。また、これまでの取り組み参加者の中から本学情報学部に入学した学生が現在も在籍中であることも聞きおよんでおります。地域の目標達成や課題解決のために必要な「情報学」とは何かについて、今後も皆様との連携によって研ぎ澄まし究めてまいりたいと存じます。

・中京大学工学部 学部長 目加田慶人氏

工学部の目標の1つは、技術を通じてよりよい社会を構築することです。本連携協定での私たちの役割は、須坂市動物園が持つ魅力的なオープンデータ(画像)を活用し、観光振興および地域振興に貢献することにあります。関係する教員や学生が自身の専門性を生かして社会課題に取り組むことは、研究としても魅力的ですし、教育的にも非常に価値のあることだと考えます。

この連携協定を通じて、協定関係者だけでなく、須坂市動物園を訪れる全ての人にとって有意義な成果が得られることを、中京大学工学部は支援し、期待しています。 

・OpenFactory 代表取締役 堀江賢司氏

本取り組みのきっかけの1つは、飼育員さんたちが撮り溜めてきた動物たちへの愛情溢れるたくさんの画像を拝見したことでした。画像の一部はオープンデータとして公開されていましたが、なかなか活用されずにいました。またECに興味があるものの、仕入れ費用がネックとなり実現できない状況でした。

弊社の「Printio」が得意とするオンデマンド生産によるオリジナルグッズ作成は、まさにこれらのコンテンツを在庫リスクなくグッズ化し、販売することが可能です。さらに今回はグッズデザインから制作、販売までを弊社で一貫して行うことで、園の業務負担を抑えながらスピーディーで無駄のないECをGMOメイクショップで実現し、園の魅力を全国に発信できるよう取り組んでまいります。

・GMOメイクショップ 代表取締役社長CEO 向畑憲良氏

GMOメイクショップは、ECを通じた地域活性化に積極的に取り組んでおり、今回の須坂市動物園のDX推進支援もその一環です。動物園は地域の大切な資源であり、教育や地域の魅力向上に重要な役割を果たしています。しかし、多くの動物園が財政面での課題を抱えており、新たな収益源の創出が急務となっています。我々は、「makeshop byGMO」の提供を通じて、須坂市動物園のオリジナルグッズのオンライン販売を支援し、新たな収益源の確保に貢献してまいります。

さらに、このプロジェクトは単なるEC支援にとどまりません。デジタル技術を活用して動物園とファンとの継続的な関係を構築する新しい動物園運営のモデルケースとなることを目指しています。産官学連携による本取り組みが、須坂市動物園の持続的な発展と地域社会の活性化につながることを確信しております。