【消費者から愛される要因は?】家電ECのストリーム、レンタルサービスを提供 支持される要因を探る

家電ECのストリームが提供するレンタルサービス「Rentoco(レントコ)」が堅実に成長している。「Rentoco」は2020年4月にサービスの提供を開始した。現在では、個人・法人問わず多くの注文が集まっているという。「Rentoco」の成長の要因は、徹底したメンテナンスと他社では取り扱っていない商品ジャンル、確実な商品配送マネジメントなどが関係している。「Rentoco」の責任者でもある営業本部 物流部 レンタルグループの鈴木幸雄副部長に「Rentoco」の強みなどを聞いた。

<レンタル特有の不安である「清掃」「綺麗」を徹底>

「Rentoco」は家電ECのストリームが運営する家電のレンタルサービス。美容家電やコーヒーメーカー、ホームプロジェクターなど、注目の人気アイテムを気軽にレンタルすることができる。「Rentoco」という名前には、"まずはレンタルしとこ!"と、気軽にレンタルサービスを使ってもらいたいという思いが込められている。

サイトから申し込みするだけで、家電を届けてもらうことができ、往復の送料も発生しない。レンタルする際に「身分証明書」も必要なく、支払いも「アマゾンペイ」などにも対応している。レンタルの障壁を限りなく軽減したサービスとなっている。「Rentoco」はストリームが運営する自社サイト「ECカレント」の商品を発送する物流倉庫である、さいたま市岩槻区にある物流センターから配送する。  

レンタル商品は「清掃」「清潔感」が何よりも重要になる。「Rentoco」の清掃手順は非常に簡潔だ。顧客から返却された商品を一から確認し、スタッフが清掃場所において、行ったり戻ってきたりすることなく、流れるような清掃システムを構築している。

まず戻ってきた商品を確認し、顧客が返却し忘れた商品がないかを確認する。次に洗い場で返却品を清掃する。その後、商品によっては充電し、バッテリーの回復を待つ。次に商品をアルコール消毒する。アルコール消毒が完了したらより商品を清潔にできるオゾン殺菌庫に入れて除菌することで清潔さを保つ。最後に清掃漏れがないかをチェックリストで確認し、箱に詰める前の組み立ての様子を確認する。配送時の損傷を防ぐために緩衝材を入れたりして、配送準備が完了する。

▲清掃場所

商品の清掃もレンタル商品ゆえ徹底している。ただ表面を洗うのではなく、ネジを外したり、チューブを抜いて細かいところまでゴミが溜まっていないかを確認したりする。また、多様性の観点から女性スタッフの家事の経験も活かし、「どこの部分に清掃漏れが起きやすい」「どこの部分を綺麗にしておいてほしいか」が分かる。

▲細かく商品を清掃

「洗剤を付けて泡立てて、本当に細かく洗う。商品によっては、『え、ここまで分解していいの?』と思う状況まで綺麗に洗う。この人だから上手に洗えるというわけではなく、担当全員が同じクオリティーで綺麗に商品を洗える」(鈴木副部長)と話す。実際に働くスタッフも「洗い忘れがないよう徹底して細かく確認して清掃している」と話す。

▲内部まで徹底して商品を清掃

<イヤーピースも取り替える>

「Rentoco」では「清掃」に非常に気を付けているが、それだけではない。イヤホンなどのレンタル注文を受け付けた場合、「汚れ」や「使用感」を確認し、「イヤーピース」を交換する。細かい部分まで確認し、常に顧客が気持ちよく商品を使えることを心がけている。

▲イヤーピースなど小物を保管

さらに商品を梱包する緩衝材などもストリームが独自で製作している。家電のECサイト「ECカレント」で培った経験を生かしている。配送中に商品が動かないよう、ピッタリに収まる緩衝材を独自に製作して、傷が付かず、故障しないよう配送する。顧客がレンタル終了後、ストリームに返送する際も、緩衝材のはめ込み方も簡単なため、故障する心配は低い。「清掃」だけでなく、「配送」にも強いこだわりを持っている。顧客から「清掃」「配送」でクレームが届くこともないという。 

 

▲緩衝材などもストリームが独自で製作

<人気商品をレンタル可能>

「Rentoco」では、水なし自動調理器やハンディーガン、モバイルプロジェクター、骨伝導イヤホンなど、人気商品をレンタルすることができる。ユーザーは購入に躊躇するときは、事前に「Rentoco」で商品をレンタルして、使用感を確認することができる。「購入して失敗したな」という後悔を減らすことができる。

コロナ禍が収束した現在では、カメラやチェキなどの商品が人気だ。旅行に行く際、購入ではなく、レンタルして旅の思い出を残す人が多いという「Rentoco」は、「ECカレント」で取り扱っている商品を「Rentoco」で取り扱うことも可能なため、他社のレンタルサービスよりも商品数は比較的多い。9月1~31日の期間においてマッサージなど健康カテゴリアイテムがお得にレンタルできるクーポンの提供を予定している。

<法人がリーズナブルな価格で導入>

法人からの利用も増えている。コロナ禍が終わり、出社勤務を義務付けている企業も多い。そのような法人企業が「空気清浄機」や「掃除機」「パソコン関連」「エアコン」などをレンタルすることが多いという。「Rentoco」と同じようなレンタルサブスクサービスを提供している企業から注文を受け付けることも多いという。

「当社の場合、家電を仕入れて販売する『ECカレント』も運営しているため、取扱アイテムの仕入れの面において安心感が違う。それゆえ提供できる商品数に違いが出ている」(同)と話す。

さらに「企業の中では、いきなり商品を100点など大量にレンタルすることができない場合も多い。そのようなとき、『Rentoco』で少ない数をレンタルし、納得いくクオリティーだったら残りの必要数をレンタルする流れも増えている。企業もレンタルといってもいきなり多くの数をレンタルすることが難しかったりする。少量をレンタルして納得して残りの必要数をレンタルする。『手軽さ』『費用感』『クオリティー』などに満足し、一度だけではなく、何度も『Rentoco』を利用してくれる法人企業も多い」(同)と説明する。