Microsoftは8月13日にWindows向けのセキュリティ更新プログラム「KB5041578」をリリースしたが、この更新プログラムを適用した一部のWindows Server 2019デバイスにおいてパフォーマンスが低下するなどの問題が発生しているという。Microsoftは「既知の問題のロールバック (KIR)」を通じて一時的にこの問題の解消を試みており、Windows更新プログラムで根本的な原因の修正に取り組むと説明している。

詳細は下記サポートページの「既知の問題」セクションにまとめられている。

  • Servers might face performance issues with the August 2024 security update

    Servers might face performance issues with the August 2024 security update

ウイルス対策ソフトウェアが引き金か

Microsoftはこの問題の原因となったソフトウェアを明らかにしていないが、ウイルス対策ソフトウェアを実行している際に問題が観察されたという報告を取り上げている。この問題の影響を受けている場合、次のような現象が発生する可能性があるという。

  • CPU使用率の増加
  • ディスクのレイテンシおよびディスク使用率の増加
  • OSまたはアプリケーションのパフォーマンスの低下
  • CryptSVCサービスが起動に失敗する
  • 画面のブラックアウト
  • 起動の遅延
  • フリーズやハングアップ

なお、問題が発生するシナリオは主にエンタープライズ環境のものであるため、WindowsのHomeエディションやProエディションを使用している一般ユーザーが影響を受ける可能性は少ないとされている。

一時的な解決策

Microsoftはすでに、この問題の原因となった更新プログラムに対して「既知の問題のロールバック (KIR)」を適用している。KIRは、Windows Update経由で配信されたセキュリティ以外の更新プログラムについて、問題が発生した部分だけを元の状態に戻す機能である。

既知の問題のロールバックを適用するには、IT管理者が特別なグループ ポリシーをインストールして構成しておく必要がある。サポートページではその方法も解説されている。

根本的な解決策は、今後のWindowsアップデートに含めるように準備中だという。解決策を含んだアップデートがリリースされれば、上記のグループ ポリシーを使用しなくても問題を回避できる見込みである。