「ポケットマルシェ」の雨風太陽、住まいのサブスク「ADDress」と連携 地方自治体の関係人口拡大を支援

「都市と地方をかきまぜる」をミッションとする雨風太陽は8月13日、国内外の約300物件で多拠点コミュニティプラットフォーム「ADDress」を運営するアドレスと連携し、地方自治体に向けた関係人口創出・拡大を目指す取り組みを開始した。両社の地域ネットワークを組み合わせて地域資源に新たな価値を付与し、地方の持続可能性向上に貢献する。

雨風太陽は、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」、ふるさと納税プラットフォーム「ポケマルふるさと納税」等の個人向け食品サービスに加え、自治体支援サービス、法人向け食材販売等の企画・実施も展開している。

このほど、国内外の約300物件で多拠点コミュニティプラットフォーム「ADDress」を運営するアドレスとの連携を開始した。

「ADDress」が提供する“イエ”(多拠点生活ができる転賃貸物件)と、雨風太陽の持つ“ヒト”(全国8300名以上のポケットマルシェ登録生産者)という、両社の地域ネットワークを組み合わせ、訪れた人が一定期間地域に滞在しながら、生産者の案内のもと地域の自然や文化に触れ合うコンテンツを開発・提供する。

滞在後も「ADDress」を活用して地域を複数回再訪したり、現地で知り合った生産者の食材をポケットマルシェで購入したりすることで、その地域や人と継続的に関わる関係人口の創出を促し、地域資源に新たな価値を付与する。さらに「ADDress」会員に対しても、地域資源の活用と体験の機会を新たに提供し、これまで以上の価値向上を目指す。

日本における総人口は、2004年をピークに急激に減少しており、2022年に1億2600万人いた人口は、2050年には1億500万人になると考えられている。人口減少に伴う働き手の減少や都市圏への人材の流出が続けば、その地域は活力を失うだけではなく、魅力ある自然・歴史・文化までもが失われてしまう恐れがある。

「都市と地方をかきまぜる」をミッションに掲げる雨風太陽では、その地域と多様に関わる「関係人口」の創出をインパクトとして捉え、2050年までに“2000万人の関係人口の創出“を目指している。

関係人口の創出は、地方創生の看板政策にもなり、2024年2月には国土形成計画における移住・二地域居住等に関する「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定された。その中で、二地域居住は関係人口を創出・拡大し、魅力的な地域づくりに資するものだと謳われている。

関係人口創出の動きを一層加速させるため、国内外で多拠点生活ができるコミュニティプラットフォーム「ADDress」と連携し、地方自治体に向けた空き家・空き室等の遊休資産の利活用を推進し、全国に“暮らしのコミュニティを新たに創造する”ことで関係人口創出・拡大を目指す取り組みを開始するべく、今回の連携に至ったとしている。

8月28日には、自治体職員に向けたオンラインイベントを開催する。ゲストパネラーにアドレスの共同創業者・取締役で、地方自治体向けソリューション開発、および提供の責任者でもある桜井市を迎え、これまで取り組んできた地方創生サービスの概要と実績や、今後両社の連携により実現できる展望を語る。参加費は無料で、雨風太陽のWebサイトにて申し込みを受け付けている。

▲雨風太陽の高橋博之代表

雨風太陽の高橋博之代表は、「多面的機能を発揮する農山漁村は、それぞれの地域が持つ強みに応じて、都市住民がそれぞれ多様な能力を地域の維持・発展のために発揮することができる場となります。裏を返せば、各個人が満たしたい多様な価値に農山漁村が応えることができるようになるということです。『空き家』という空間が、地域に主体的かつ継続的に関わる都市住民によって再定義されることで、固定化した空間の役割は流動化していきます。それぞれの空間の再定義が広がることで、固定化されていた地域全体の役割も流動化します。商業、工業、農業、宅地という継ぎ目がなくなり、各地域の役割が混然一体とし、多元化していきます。このように都市と農山漁村がシームレス化することで、人間一人ひとりが、もっと自己実現しやすい地域で生活ができるようになりながら、地域の持続可能性も高めていく。空き家などを舞台に多拠点コミュニティサービスを展開する株式会社アドレスと、関係人口カンパニー雨風太陽の協働を通じて、都市と地方をかきまぜるスピードを上げていきたいと思います」とコメントしている。

▲アドレスの佐別當隆志社長

アドレスの佐別當隆志社長は、「地域に何度も通いたくなるのは、ハードとしての『住まい』だけでは足りません。地域の人たちと共に過ごす時間や体験といった『交流』が重要です。地域の人たちとの関係性が深くなることで、『また会いに訪れたい』と人にリピートするようになるのです。日本の農山漁村には、豊かな自然や暮らしを大切にされている人がたくさんいます。この度の雨風太陽とADDressの協業によって、地域の人と住まいのピースがはまり、関係人口が加速度的に増え、空き家や人口減少問題に苦しむ地域へ貢献して参ります」とコメントしている。