ゴルフダイジェスト・オンライン、生成AI搭載サービスを公開 チャットやバーチャル試着をテスト

ゴルフダイジェスト・オンラインはこのほど、自社のサイトにおいて、生成AIを用いたゴルファー向けサービスの本格導入に先駆けたデモ版を近日中に公開すると発表した。ゴルフ場予約ページへの対話型AI「GDO店員さんAIチャット」の設置、ECサイトへのバーチャル試着のテスト実装を予定しており、よりリッチな顧客体験尾提供を目指す。

ゴルフダイジェスト・オンラインは、ゴルフのワンストップ・サービス(見る・買う・行く・楽しむ)を提供するゴルフ専門ポータルサイト「GDO」を展開。近年は、ゴルフにデータ/テクノロジーを融合した打球追跡システム「トップトレーサー・レンジ」のゴルフ練習場展開や、ゴルフレッスン・スタジオ「GOLFTEC」の運営、「スピードゴルフ」「スノーゴルフ」など、ゴルフの多様性を追求するイベントなどを展開し、ゴルフを通じて豊かで「あそび」のある生活を提供している。

2023年8月以降、「GDO」サービスの顧客接点に生成AIを実装することを目指し、AI開発と実装に多くの実績と専門性を有する電通デジタルと共同で、研究開発を進める「GDO-AI Lab」に取り組んでおり、その実装の第1弾として、自社が運営するゴルフ場予約サイトやECサイトで、生成AIを用いたゴルファー向けサービスの本格導入に先駆けたデモ版を近日中に公開する。

1つ目の機能として、ゴルフ場予約ページに対話型AI「GDO店員さんAIチャット」を設置する。このAIは、ユーザーが希望するゴルフ場について質問し、その回答に基づいてさらに詳細な希望を確認するなど、自然で高精度な会話が可能。ユーザー専用の有能なコンシェルジュとして、具体的な予約枠を提示する。

「GDO」には、プレーしたゴルフ場に関する会員のレビュー(口コミ)が膨大に蓄積されており、これらをAIに学習させてチューニングを行う。実装されたAIは、検索画面に表示されたゴルフ場の公式情報だけでは得られないデータをもとに、自然な会話から細やかな要望や潜在的なニーズをくみ取り、個々のユーザーに最適な提案を行う。

2つ目には、ECサイトにおいて、ユーザーが自分の画像をアップロードすると、トップスやボトムスなどのウェアをバーチャル試着できる機能のテスト実装を行う。生成AIが詳細な商品データを学習・解析しており、ユーザーの画像と照らし合わせることで、簡単にアイテムを身に着けた状態での見た目を確認できる。さらに今後は、過去に購入した商品と組み合わせた試着、コーディネートの提案、類似アイテムのリコメンドなどの機能も追加を予定している。

これにより、ユーザーは自身に似合うコーディネートの具体的なイメージを持つことが可能になる。購入した商品が届いた際に「イメージと違った」ということが起こりうるECのデメリットや、実店舗で何着も試着を繰り返すわずらわしさを取り除き、ウェア選びが楽しくなる購買体験を提供する。

「GDO」の会員数は2024年3月時点で607万人に達しており、この規模の商用サイトにおいて、個人情報に紐づかない顧客の行動・閲覧データ、口コミなどを活用し、対話型AIを通じてユーザーの購買(予約)にリコメンドや提案を行う機能を実装した例はこれまでにほとんどなく、最先端の取り組みであるとの考えを示した。

今後の本格導入を通じ、「GDO」が持つ豊富なユーザーデータやコンテンツデータとAIをかけ合わせることで、「GDO経済圏」のあらゆるサービス領域で顧客体験をリッチにすることで、GDOでしか提供できないサービスの価値を最大化し、ゴルフをより多くの人が楽しめるよう努めるとしている。