ヘルスケアグッズ「DR.VAPE」好調の舞台裏 「ecforce」を再導入した理由は?

ロックビルはこのほど、ヘルスケアグッズ「DR.VAPE(ドクターベイプ)」における、統合コマースプラットフォーム「ecforce」の導入、成果を公開した。マーケティングと販売チャネルの多角化により、購入機会を最大化を目指す。

ロックビルの展開する「DR.VAPE」は、ノンニコチンのパイオニアとして誕生し、現在の販売数量が国内シェア1位にまで成長したヘルスケアグッズ。従来より海外に存在した、水蒸気にフレーバーを付けて吸引し、タバコに代わる嗜好品「VAPE」の海外での流行の兆しを受け、日本国内でよりデザイン性の優れた製品の提供を目指してブランドを立ち上げた。

ニコチンやタールを含まないため、健康リスクを排除した嗜好品であるということに加え、年齢や性別を問わず老若男女どんな人でも使えるデザイン性の高さも特徴となる。フレーバーにもこだわり、フルーツなど甘さを感じられるものから、スッキリできるミントまで幅広いフレーバーを取り揃えている。2024年2月15日にはプロダクトデザインにこだわった新製品「DR.VAPE Model 3」を発売し、幅広い顧客から好評を得ている。

「DR.VAPE」は、自社ECサイトや各種ECモールを始めとしたオンライン販売に加え、ファミリーマートでのオフライン販売も行っている

SUPER STUDIO社の統合コマースプラットフォーム「ecforce」を利用しており、このほど、導入の経緯、成果を公開した。

ロックビルは以前、「DR.VAPE」とは別の事業で「ecforce」を利用していた。「ecforce」とデジタルマーケティングとの親和性の高さに魅力を感じたこと、特に事業開始直後は短期的に売上を作っていく必要があることから、広告URLごとの効果計測やマーケティングの効果分析など、見たい指標が標準機能で見られる機能性を重視して利用していたが、2019年から2020年頃のビジネス規模の急拡大に応じて、他社のカートシステムへと移行していた。

当時「DR.VAPE」ではCRMに課題があり、ロックビルが求める要件を実現するには「ecforce」では対応しきれない部分がいくつかあったことから、独自の機能実装を優先していた。

一方で、独自の要件については機能拡張されるものの、カート全体として必要な機能の実装が後回しになってしまうという課題が生じており、数年間他社のカートシステムを利用している間に、自社が必要とする機能が「ecforce」の標準機能として実装された。

▲必要とする機能が「ecforce」の標準機能として実装された

「ecforce」の開発スピードの速さから、今後数年で「DR.VAPE」が欲する機能も実装されていくだろうとの期待が持てたことから、2023年12月に再度「ecforce」を導入した。現在では、「サブスクビジネスに必要な機能で『ecforce』より優れているカートシステムを見つけるのは難しいとまで感じている」としている。

現在は、必要な機能が十分備わっており、ECサイトに不具合がないことから顧客からのクレームなく、期待した通りに運営ができているとし、「カートシステムを移行する際には社内のシステム担当者の負担が大きくなることも懸念していました。しかし、『ecforce』ではこれまで数多くのシステム移行に対応している実績があるため、移行に関する一連の業務やその後の運営においても戸惑うことはありませんでした」(社長執行役員 岡村太郎氏)と話す。

▲ロックビル 社長執行役員 岡村太郎氏

「DR.VAPE」ではコールセンターを外注しているが、コールセンターでも「ecforceの利用経験」を持つスタッフが多く、スムーズにシステムが移行できとし、「ecforce」であればコールセンターなど社外との連携が必要な場合にも、移行による教育コストがほとんどかからないとした。

「DR.VAPE」は、購入機会の最大化を1番の目的に、自社ECサイトやECモール、コンビニといった複数のチャネルで販売を行っている。自社ECサイトのみで販売する場合、集客に大きな投資が必要だが、「Amazon」や「楽天市場」などのECモールやオフラインチャネルのコンビニにも商品を置くことで、消費者はストレスなく、欲しいときに商品を購入できる。

一方、ECモールやコンビニで購入する人も、Web上の広告を経由して自社ECサイトやLPで一度「DR.VAPE」を目にしたことがある層だと捉えており、この認知はデジタルマーケティングによる効果で、自社ECサイトで世界観を伝えながらブランディングに注力してきたからこそ「DR.VAPE」を「見たことがある」「知っている」と、コンビニなどでも手にとってもらえるとし、複数の販売チャネルを設けることで、デジタル広告や自社ECサイトでのブランディングの効果がチャネルを跨いで全体の売上に繋がっているとの考えを示した。

顧客のなかには、ECで購入するのが煩わしいという人もいるため、今後も自社ECサイトでのマーケティングは重視しつつ、複数チャネルでの普及を図り、より多くの人に手に取ってもらう機会を創出していきたいとし、今後も販売チャネルの多角化を狙い、「DR.VAPE」の認知、売上の拡大を目指す考えを示した。

「ecforce」は、統合コマースプラットフォームとしてオンラインとオフラインのデータを統合管理し、ECビジネスの最適化に留まることなく、モノづくりのビジネス全体を最適化することを目指しており、SUPER STUDIOは、最新のテクノロジーとデータドリブンな事業運営で、EC/D2Cメーカーの日々の業務の最適化を促すとともに、販売チャネルごとのデータ統合などを通して消費者の利便性向上につながる機能開発やパートナー企業との協業・サービス連携など、「ecforce」を導入するEC/D2Cメーカーの売上の最大化に寄与していく考えを示した。