レイングッズのワールドパーティー、心を動かす発信でEC売上47.8%増 『シャイニーアンブレラ』が「エモい」と話題

レイングッズを販売するワールドパーティーはコロナ禍をきっかけにEC事業を強化し、2023年1月期のEC売上高は前期比47.8%増の22億1400万円となった。商品の良さを伝える写真や文章の表現に注力し、消費者の「心を動かす」ことで購入につなげたという。

店舗での販売をメインとしていたが、コロナ禍の閉店をきっかけに、ECサイトの運営を強化したという。

「ブランド力、知名度、商品力において積み重ねてきたものがあるからこそ、『売る力』としてECを活用することができた。特に商品の良さを伝えることにこだわっている」(営業本部 ECグループ グループ長 平田恭子氏)と説明した。

同社の商品は、SNSで話題となり、それを見た消費者がECサイトや実店舗で購入するという流れができている。その強みとなる写真は、「ただデザインがかわいい、きれいなだけではない」(執行役員 営業本部長 Wpc.事業部長 角谷圭一朗氏)と話す。

デザインの意図の説明やコーディネートに合わせた様子など見せ方を工夫し、「エモい」要素をつけることが、「心を動かす」ことにつながるという。

見せ方を工夫した結果、SNSで話題となり、ECサイトで注文が殺到した事例として「シャイニーアンブレラ」がある。

▲シャイニーアンブレラ

「光に当たってきらきらと輝くデザインが、日常使いには派手すぎるということで、あまり売れていない時期があった。商品に触れている時に、地面に写る影がきれいに輝いて見えることを発見した。商品そのものだけでなく、影の様子も含めた写真をSNSで公開したことで『エモい』と爆発的な話題となり、ECサイトの流入につながった」(角谷氏)と振り返った。

EC運営については、チャネルごとに顧客の傾向が異なるため、それぞれの戦略をとっているという。例えば「Amazon」は男性やキッズ向けのシンプルなものが好まれ、「ZOZO」と「楽天市場」は30~40代の女性の利用が多いという。自社ブランドは若年層が多く、ブランディングにつながるサイトの位置付けだ。自社サイトへの流入を促進する施策として、自社サイト限定の商品をそろえている。

ECサイトで「写真を見て満足」から「買う」に「心を動かす」きっかけ作りをしているという。今後もクリエーティビティーを強みに、情報発信に力を入れる方針だ。今年度はEC年商30億円突破を目標としている。