ビックデータ解析の米Clouderaは8月7日(現地時間)、メタデータ管理ソリューションにおける2つの新たな拡張機能を発表した。これらの新機能により、データレイクハウスでのオープンな相互運用性を向上させるとともに、データライフサイクル全体のセキュリティやガバナンスのニーズに対応するという。

  • 米Cloudera、メタデータ管理ソリューションにおける2つの新たな拡張機能を発表

    米Cloudera、メタデータ管理ソリューションにおける2つの新たな拡張機能を発表

Clouderaは、構造化および非構造化を問わず、あらゆるデータを大規模に分析できるオープンデータレイクハウスを提供している。今回、同社はこのデータレイクハウスに2つの新機能「新たなIceberg REST Catalogの統合」「Shared Data Experience(SDX)」を追加した。

新たなIceberg REST Catalogと統合することで、サードパーティエンジンを使用しながらのApache Icebergテーブルへのシームレスなアクセスが可能になる。ユーザはセキュリティやガバナンスを的確に統合しながら、さまざまなツールを活用することができるようになる。

また、データアクセスの簡素化やプラットフォーム間のデータ権限やデータリネージの維持ができ、個別のセキュリティレイヤーが最小になることからコストの削減とデータ侵害のリスク低減にもつながるとしている。

もう一つの新機能であるSDXは、エンドツーエンドの統合データセキュリティ、ガバナンス、メタデータ管理の提供を通じてクラウドネイティブなコンテナ型のエクスペリエンスを可能にする。

ツール間でのセルフサービスによるデータアクセスを提供し、セキュリティ機能の統合によって侵害リスクを最小限に抑えるとのこと。また、クラウドやオンプレミスのデータを一元管理できる。同社は現在、テクニカルプレビューを行っており、一部の企業に対して先行導入を進めているとのこと。

今回の新機能は、データライフサイクル全体でセキュリティやリネージでデータを保護するだけでなく、メタデータ管理を最適化することで総所有コスト(TCO)を削減しながら、パフォーマンス、スケーラビリティ、レジリエンスの向上を実現する。

また、この機能拡張によって、コピーを作成せずにメタデータへの共有ができ、ベンダーロックインに陥ることなくサードパーティツールによるイノベーションが可能になる。Cloudera日本法人 社長執行役員の大澤毅氏は「Clouderaのプラットフォームは、ベンダーロックインやデータのサイロ化を阻み、拡大するメタデータを管理する比類ないスケーラビリティ、パフォーマンス、レジリエンス、効率性を実現する」とコメントしている。

企業が生成AIアプリケーションへの投資を拡大させる中、データ品質やコンプライアンスには、堅牢で適応性の高いメタデータ管理が不可欠なものとなっている。しかし、それを的確に実行し、より正確でスケーラブルな成果を出すためには、メタデータ管理の変革力を発揮できる安全性の高い統合プラットフォームが必要だ。

大澤氏は「オープンスタンダードに準拠することで、あらゆるエコシステムにおいてシームレスな統合と相互運用性を確保し、企業はAI投資を最大限に活用することができる」とコメントする。