KDDIは8月7日、日本に住んでいる外国人が旅行などで日本に訪れる外国人に母国語で日本の飲食店や美容サロンなどの店舗情報を紹介可能なサービス「KAMOkamo(カモカモ)」の提供を開始することを発表した。まずは中国人旅行者向けにメッセンジャーアプリ「WeChat」内で提供開始する。

在留外国人は母国語で日本のおすすめの店舗情報を紹介でき、訪日外国人は同じ母国語で情報を確認できる。さらに、気に入った店舗は海外から店舗の予約や事前の決済まで可能。外国人旅行者は海外にいながら日本での予定を立てることができるため、安心して来日できるという。

  • サービスの概要図

    サービスの概要図

サービス概要

同サービスはKDDIと、厳選した優良店によるラグジュアリーな体験を提供する「OZmall」を運営するスターツ出版が連携して提供する。外国人旅行者が安心して利用できる店舗の掲載を目指すとのことだ。まずは中国からの旅行者向けに提供を開始するが、中国では日本のサイトを閲覧すること自体が困難とされる中、旅行者はWeChatから同サービスを通して中国語で紹介された日本の情報を確認できるようになる。

外国人旅行者は海外にいながら、日本の店舗の予約やWeChat内の決済機能である「WeChatPAY」を用いた事前決済も可能。紹介した店舗を外国人旅行者が利用すると、その店舗を紹介した在留外国人は報酬を受け取ることができる。報酬の支払いはAmazonギフト券。

サービス提供の背景

日本は近年、外国人旅行者が増加している。外国人旅行者が日本で満足のいく旅行体験を得るためには、同じ母国語で紹介された情報を入手して事前にプランニングすることが重要となる。しかし、現状では日本の情報を同じ母国語で紹介した情報が少なく、また、海外からの事前予約や決済手段が十分に整っていないことも課題とされる。情報が少ないことで、特定の観光地や店舗に多くの外国人旅行者が集中してしまう「オーバーツーリズム」が日本において社会課題だ。

その一方で、日本に住んでいる在留外国人も増加している。外国人旅行者および在留外国人が共に増加していることから、同サービスでは在留外国人が持つ「日本に関する知識」「言語力」「知人ネットワーク」を生かして外国人旅行者へ情報を発信する仕組みを作るとのことだ。