森木恭平・HANDICAP CLOUD社長の 「人生の転機」【インテリジェンス時代】

時代の変化を積極的に歓迎しつつ、時代にあった社会課題を解決するサービスを常に創り出し続けることで社会発展に貢献する─。当社は障害者雇用を支援する企業ですが、この「社会貢献」という価値観が自分の思想に染み込むきっかけになったのは、新卒入社したインテリジェンス(現パーソルキャリア)での経験でした。

 学生時代から、いつかは起業しようと考えていました。ただ、事業として何を扱えばいいか分からない。事業の中身も固まっていない中で、まずは人づくりと組織づくりを学ぶ必要がある。そう考えてサイバーエージェントの藤田晋さんといった稀有な経営者を数多く輩出しているインテリジェンスに入ったのです。

 人にまつわる人生は社会貢献にもつながる─。インテリジェンスではこのことを強く感じることができました。当時のインテリジェンスでは「人と組織を多様な形で結ぶ『インフラとしての人材サービス』を提供し、社会発展に貢献する」という存在意義を掲げていました。社内でも「上司の顔ではなく、理念を見ろ」という言葉が当たり前のように飛び交っていたのです。

 さらに新卒の社員でも「それは当社のミッションとズレていませんか?」と平気で先輩社員に物を言える社風でした。何よりも社員一人ひとりが「5DNA」(社会価値の創造、挑戦と変革、プロフェッショナリズム、顧客志向、チームプレー)と呼ばれる行動原理に沿って使命感を持って動いていたのです。

 社会貢献という意識を持ってお客様に寄り添えば、自然と価値のある提案ができたのだと思います。お陰様で私は大手企業担当部門でトップの営業マンになることができました。そして、人づくりと組織づくりにつながる企業文化を学ぶつもりで入社した私でしたが、気がつくと企業文化を伝える側になっていました。

 その後、人材紹介部門のITマーケットのマネジャーに最年少で着任。ソーシャル部門の立ち上げも任され、退職後はITベンチャー企業の取締役や顧問を経て、2016年に当社を設立しましたが、障害者が一人でも多く社会活動に加わり、誰もが自分らしく生きられる世界を実現できれば世の中は大きく変わると思っています。それこそが私の社会貢献なのです。

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