伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、メタル便は7月30日、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供する脱炭素ソリューション「MIeCO2(ミエコ)」を活用して、鉄鋼物流の脱炭素化をはじめとする持続可能な鉄鋼物流の構築のための実証実験を8月1日から開始することを発表した。

実証実験の概要

物流業界では、2024年問題による輸送能力不足への対応と、2050年までのカーボンニュートラルへの取り組みが急務だ。特に鉄鋼物流業界は、専属便と呼ばれる、各企業が自社貨物しか積載しない配送方法が慣習となっており、少量の貨物でも1台のトラックが配送しているため、輸送効率と二酸化炭素排出量の両面で課題を抱える。

こうした課題の解決策として、異なる荷主の貨物を同じトラックで配送する「共同配送」や、輸送方法をトラックではなく環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する「モーダルシフト」への関心が高まっている。

  • 共同配送のイメージ

    共同配送のイメージ

実証実験の概要

メタル便は2000年より共同配送を提供している。共同配送は従来の専属便よりも効率的で二酸化炭素排出量も少ないとされるが、これまで定量的な評価は行われていない。そこで今回、3社は実証においてメタル便が提供している共同配送の二酸化炭素排出量の可視化に取り組む。

加えて、共同配送と専属便による二酸化炭素排出量の算定方法を策定し、実際の事例で算定する。また、共同配送が鉄鋼物流業界の二酸化炭素排出量削減に与える効果を検証する。その他、二酸化炭素排出量をステークホルダーに開示する仕組みの検討や、共同配送による二酸化炭素排出量削減分をカーボンクレジット化することの検討も実施するという。