アドビは7月30日、ラーメン消費額が日本一の山形市と、ラーメン店の広報活動の支援を行うため連携することを発表した。また、山形市内のラーメン店主を対象に、アドビが提供するデザインツール「Adobe Express」を使用したデザインワークショップ「まちの広作室 in やまがた」を山形市内で開催する。

連携の背景

昨今、物価上昇や円安の影響を受け、ラーメン店の倒産、休廃業が加速しており、2023年度には全国でラーメン店の倒産が大幅に増加し、これまで過去最多だった2013年度(42件)を越し、最多となっている。

このような状況の中、両者は山形市内のラーメン店を対象に独自調査を実施。調査結果によると、お店の運営や営業に関して最も悩んでいることとして、「人手不足」「物価対応」に続き、「集客・広報活動」が挙げられた。

ラーメン店が作成している「広報制作物」を見てみると、SNS用画像(67%)が最多となり、次いでメニュー表(49%)、ポスター制作(35%)、SNS用動画(26%)となっている。

SNS運用をしているラーメン店は全体の77%で、うち88%のラーメン店が「SNS運用に課題がある」と回答し、中でも「時間がない」(36%)という点に関して、最も課題を感じていることが判明した。

チラシ・ポスター制作においても「費用がかかる」(51%)が最大の課題としてあげられており、広報制作物の作成に要する時間や費用などの面でハードルを感じていることがわかった。

連携の内容

こうした背景を受け、両者はラーメン店主たちがクリエイティブなスキルを身につけ、より効果的な広報活動によって集客を増強し、ラーメン業界の盛り上げにつながるよう支援する取り組みを行うことを決定した。

アドビはデザインツール「Adobe Express」の提供や、山形市内のラーメン店主たちがクリエイティビティを発揮できる機会の提供を行う。

山形市は「#推しメンやまがた」や「山ラー」を通じた継続的な広報支援活動で、ラーメン店のSNS運用やチラシ作成などの広報活動をサポートするという。

アドビは、今回の取り組みによって、Adobe Expressを活用しながら人々の創造性を解放し、SNS運用などデジタルにおいても効率的かつ効果的な広報活動を実現できるよう支援することで、山形市のラーメン店、さらには地域や産業の活性化へと貢献していきたい構え。