日本IBMは7月29日、テクノロジー学習へのアクセスの機会を増やすことを目的とした無償の学習プログラム「IBM SkillsBuild」で日本におけるパートナーを拡大するとともに、日本語の学習コンテンツを拡充したことを発表した。

「IBM SkillsBuild」の概要

IBM SkillsBuildはオンラインプラットフォームで実施されており、世界の非営利団体とのパートナーシップを通じて提供している。高校生や大学生、教職員、社会人を対象にAI、サイバーセキュリティ、データ分析、クラウドコンピューティングといった多くの技術分野や、職場でのスキルについて、1000以上のコースを日本語を含め20種以上の言語で提供している。

これまで日本IBMは、大阪労働協会、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会とパートナーシップを締結し、IBM SkillsBuildの提供を通じて、就労や仕事の幅を広げるためのスキル習得支援をしてきた。今回、日本でのIBM SkillsBuildの活用を促進するため、以下の非営利団体と新たなパートナーシップを締結した。

日本の新たなパートナー

  • 特定非営利活動法人 企業教育研究会
    千葉大学教育学部を中心に活動する「企業と連携した授業づくり」を専門とするNPOで、高校生向けの企業連携授業や大学生向け授業と組み合わせる形でIBM SkillsBuildを提供し、高校生と大学生のスキルアップを支援。

  • デジタル人材共創連盟(デジ連)
    中高生などのデジタル関連活動支援。教育委員会などとの連携を通じて高校の情報Iの授業を中心にIBM SkillsBuildの活用を推進し、高校教員の活動をサポートすることで高校生のスキルアップを促進する。

  • 日本科学振興協会(JAAS)
    「日本の科学を、もっと元気に。」を合言葉として、さまざまな科学振興活動を行っている。JAASが主催する自主研究支援プログラムなどと組み合わせる形でIBM SkillsBuildを大学生などに提供し、研究に必要な各種スキルの習得・向上支援に活用する。

  • ReBit
    LGBTQやマイノリティ性がある人たちを含め、「自分らしく働く」ことを願うすべての人たちの就職・転職活動を支援しており、今回のパートナーシップでIBM SkillsBuildを提供することで、就労希望者のスキルアップを支援する。

拡充されたコンテンツ

一方、コンテンツ拡充では、新たな学習コンテンツとして「AIの基礎」「サステナビリティと技術の基礎」「プロンプトの技術の習得:AI 言語モデルに対 しての効果的な指示」の日本語コースを提供開始。AIの基礎とサステナビリティと技術の基礎は修了後、デジタルバッジを取得することが可能。

米IBMは2021年に、2030年までに3000万人にスキル習得支援を提供するというコミットメントを表明し、それ以来、1150万人以上の学習者がIBMのコースに登録している。また、インド太平洋地域の女性の経済的エンパワーメントを図る「インド太平洋経済枠組み(IPEF)アップスキリング・イニシアチブ」を支援し、2022年からの5年間でアジア太平洋地域の新興国・中所得国の100万人の女性の学習を支援する方針を示した。

米国商務省が6月6日に同イニシアチブの成果を発表したように、同イニシアチブ全体を通じて成果が出ており、Iすでに65万人近くの女性のスキル開発を支援しているという。