日本電信電話(以下、NTT)は7月26日、「NTTグループ カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定したことを発表した。
NTTグループは経営戦略の一つである「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」を支えるための二本の柱として、「お客さま体験(CX)の高度化」と「従業員体験(EX)の高度化」をそれぞれ掲げている。従業員のエンゲージメントを高めるための環境整備に取り組んでいるが、一部でカスタマーハラスメントに該当する迷惑行為が発生しているという。
同社はカスタマーハラスメント行為から従業員一人一人を守り、安全で働きやすい環境を作ることがCXを重視した質の高いサービスの提供につながるという考えのもとで、「NTTグループ カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定したとのことだ。
NTTグループ カスタマーハラスメントに対する基本方針
はじめに
NTTグループでは、経営戦略の柱の1つである「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」を支えるための2つの柱として、「お客さま体験(CX)の高度化」ならびに「従業員体験(EX)の高度化」を掲げており、その推進にあたっては、従業員のエンゲージメントを高めるための環境整備にも積極的に取り組んでいます。
一方で、当社グループの一部のお客さまから、カスタマーハラスメントに該当する迷惑行為が発生している実情も踏まえ、これらの行為から従業員一人ひとりを守り、安全で働きやすい環境をつくることが、お客さま体験(CX)を重視した質の高いサービスの提供につながるという考えのもと、「NTTグループ カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定することといたしました。
カスタマーハラスメントの定義
お客さま(お取引先を含む)からの言動・要求のうち、当該内容に妥当性を欠くもの、または妥当であっても手段・態様が社会通念上不相当なものであり、従業員(当社グループまたは業務委託先企業における従業員・派遣社員等)の就業環境が害されるもの。
対象となる行為
・身体的、精神的な攻撃(暴行、傷害、脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)や威圧的言動
・過度な謝罪要求(土下座等)
・拘束的な行動(不退去、長時間の電話・居座り、監禁、何度も同じ説明をさせる・要求する)
・許可なく当社グループ関連施設内に立ち入る行為
・許可なく録音、および当社グループで働く従業員や当社グループ関連施設を撮影する行為
・差別的な言動、性的な言動
・当社グループで働く従業員個人への攻撃や要求
・当社グループで働く従業員の個人情報等のSNS/インターネットへの投稿(写真、音声、映像の公開)
・不合理または過剰なサービスの提供の要求
・正当な理由のない商品やサービス、金銭の要求
上記の定義および行為例は、厚生労働省作成の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき策定しています。行為例は例示であり、カスタマーハラスメントはこれらに限定されません。
カスタマーハラスメントが発生した場合の対応
カスタマーハラスメントと判断される言動等が認められた場合は、従業員を守るため毅然とした対応を行い、必要によりお客さま対応等をお断りさせていただく場合があります。
悪質なものや犯罪行為と判断した場合は、警察や弁護士等の外部専門家と連携し、法的措置等も含め厳正に対応します。
従業員への対応
カスタマーハラスメントに関する知識および対処方法の研修を実施します。カスタマーハラスメントの被害にあった従業員のケアを最優先し、再発防止に取り組みます。