GMOメイクショップはこのほど、ECサイト構築SaaS「makeshop（メイクショップ）」を、ネットプロテクションズ（NP）とのモジュール接続を強化した。GMOメイクショップのmakeshop事業部長の田村淳氏と、NPのコンシューマーペイメントセールスグループ統括責任者の光安紀臣氏が、「atone（アトネ）」の魅力と、EC企業が後払いを積極活用することのメリットについて話し合った。
――「makeshop」が「atone」と接続を強化した狙いは？
田村：ユーザーの購入体験を高めるためには、決済手段を選べるようにすることが重要だ。クレジットカードを持っていない人やカード番号の入力を控えたい人もいて、安心・安全に利用できる後払い決済のニーズは年々高まっている。
当社では、新しい決済画面「Smart Checkout（スマートチェックアウト）」をリリースし、「atone」は夏から秋にかけて利用できるように改修を進めている。NPが提供するモジュール「後払い共通インターフェース」に改めて接続することで、当社の「makeshop」を利用する企業がNPの「atone」を利用しやすくする。
▲atone利用フロー
光安：「後払い共通インターフェース」につなぎ直すことで、「atone」ブランドの翌月にまとめて支払える「atone 翌月後払い」と、より簡単なステップで利用できて購入毎に支払える「atone つど後払い」どちらも利用できるようになる。どちらも取りそろえることで、より幅広いニーズに対して柔軟にこたえられるようになる。
――両社の加盟店で後払い決済を有効活用している事例は？
田村：スマホの売り上げ比率が高い加盟店との相性が良い。当社を利用するEC企業のスマホの売り上げ比率は平均6割だが、「atone」を導入する企業でみると8割に高まる。特に女性や若年層を対象にするECから好評だ。
決済手段の多様化と売り上げには相関関係がある。購入者が不便と感じることのないように顧客層に応じて決済手段を用意することで購入体験の向上に貢献できる。不正購入が社会課題になる中で、後払い決済を利用することで対策もできる。
光安：某ファッションサイトでは、決済手段を多様化することを目的に、「atone」を導入いただいた。ECで購入した商品を店舗で受け取るようなスキームにも対応しているため、店舗で受け取る際に、店舗にある他の商品も併せて購入するついで買い効果などで加盟店のO2Oの促進も期待できる。
▲光安紀臣氏
――集客ツールとして「atone shops」の魅力については？
光安：「atone shops」は、ショップ、キャンペーン、ポイントの3つの情報を集約したポータルサイトだ。「atone」のユーザーはこのサイトから、新たなショップを見つけたり、欲しかった商品をお得に購入したりして、買い物をより楽しむことができる。
加盟店となることで、約700万人の会員に向けたキャンペーンを実施したり、商品情報を無料掲載したりすることもできる。「atone」は購入金額に応じてポイントが貯まり、買い回りが発生するため、有力な顧客接点としてショップのマーケティング支援につながる。
田村：新規集客につなげられる今までにない斬新な仕組みだ。一般的な後払い決済はポイントが付与されない。ポイ活というトレンドもあり、ポイントを利用できる場を提供できることは強みだ。
▲田村淳氏
――今後の両社の取り組みは？
田村：「次世代ECプロジェクト」を掲げ、サービスの管理画面の刷新や、新決済画面「Smart Checkout」を発表した。当社は、ユーザーの「購入体験爆上がり」を目指し、購入体験の価値向上を目指している。EC企業が決済手段を実装することで効率化と利便性を高めたい。
光安：「atone」のサービスをさらに磨きをかける。その一環として、分割払いやポイント還元率1.5%などの機能を備えた、月300円の有料会員サービス「atoneプラス」を2025年3月までに開始する。
「物流の2024年問題」の観点では、代引き決済が配送員の負担になっている。こうした観点からも社会課題の解決にも後払い決済が貢献できる。サービス品質を高めて、EC企業の成長に貢献していきたい。
【ECサイト構築SaaS「makeshop by GMO」サービス概要】
ユーザー数1万2000社超で、12年連続で流通額が業界トップのECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」をはじめ、カスタマイズに対応する上位版の「GMOクラウドEC」も提供。スタートアップから大規模ECまであらゆるビジネスのEC化をサポートする。
【後払い決済「atone」サービス概要】
「atone」は、通販・実店舗ともに使える後払い決済サービス。購入者は買い物をした後で代金を支払うことができ、銀行口座やクレジットカード情報の登録やチャージ不要で、すぐに利用できる。「カゴ落ち」を防止して売り上げロスの削減につながる。実店舗ではクレジットカードを使わない購入者を取りこぼすことなく、店舗のキャッシュレス化を推進できる。ポイントプログラムも導入し、新規獲得・リピート率向上や購買単価の向上にも貢献する。
