WordPress.orgは現地時間7月16日、WordPress 6.6「Dorsey(ドーシー)」のリリースを発表した。6.6はダウンロードサイトより入手できる。

サイト・コンテンツエディタのデザイン機能とワークフロー機能の強化、自動プラグインロールバック機能が実装されたWordPress「ドーシー」

WordPress 6.6「Dorsey」リリースイメージ(公式Webサイトより)

WordPress 6.6「Dorsey」リリースイメージ(公式Webサイトより)

「WordPress 6.6」は米国のジャズ・トロンボーン、トランペット奏者でありビッグバンドリーダーでもあるトミー・ドーシー(Tommy Dorsey/1905年11月19日 - 1956年11月26日)に因んで「Dorsey」と名付けられるバージョン。「6.6」では主にサイト・コンテンツエディタのデザイン機能とワークフロー機能の強化が行われており、それ以外ではプラグインの自動更新失敗時の自動ロールバック機能が実装されている。「WP_Theme_JSON」呼び出しの削除や高負荷オプションの自動読み込み無効化、投稿埋め込みの遅延読み込みやテンプレート読み込みの約35%高速化などによりパフォーマンスも向上しており、アクセシビリティも55以上の修正と強化が実施されている。詳細は「6.6 機能ショーケース」のページで確認できる。

ブロックテーマで色とフォントセットを柔軟に変更できる「デザインオプション」や同期されたパターンのカスタマイズ機能

「WordPress 6.6」では、サイト・コンテンツエディタ「Gutenberg」に最新リリースの「18.5」を導入。最新のReact 19、React JSX(JavaScript XML)transformへの対応などの多くの機能強化・改善が行われている。エディタのデザイン関連機能では、ブロックテーマ作成者向けに色とフォントセットの組み合わせを保存して、1つのテーマで色とフォントを柔軟に変更可能な「デザインオプション」機能が実装された。

  • ブロックテーマで色とフォントセットを変更できる「デザインオプション」(公式Webサイト動画より)

    ブロックテーマで色とフォントセットを変更できる「デザインオプション」(公式Webサイト動画より)

加えて、同期されたパターンやスタイルを利用する特定ブロックをカスタマイズできる機能も搭載。見出し、段落、ボタン、画像ブロックなどの詳細セクションから設定でサイト全体にオーバーライドすることも可能で、統一感のあるWebサイトデザインの維持を容易にする。デザイン要素の追加機能としては、サイトの背景画像を設定するカスタマイズオプション、任意のブロックに負(マイナス値)の余白設定を可能とするマイナスマージン、新しいグリッドブロックとグリッドレイアウトブロックなどが利用できるようになった。

  • 同期されたパターンがカスタマイズ可能に、オーバーライド設定で統一感も維持(公式Webサイト動画より)

    同期されたパターンがカスタマイズ可能に、オーバーライド設定で統一感も維持(公式Webサイト動画より)

ワークフロー関連でもより早くコンテンツにアクセスできる「クイックプレビュー」機能

ワークフロー関連では、新規に並列レイアウトを採用した「クイックプレビュー」機能を実装、左サイドのプレビュー画像から流れるようにコンテンツを選択し、編集するページに素早くアクセスできるようになった。また、共同作業用の公開フローでは、視認性を高めるためタイトルや公開ステータスなどをより強調するレイアウトとデザインに更新されている。

  • 並列レイアウトを採用した「クイックプレビュー」(公式Webサイト動画より)

    並列レイアウトを採用した「クイックプレビュー」(公式Webサイト動画より)

それ以外にも複数の新機能の追加・改善が行われており詳細は6.6リリースノートで確認できる。開発者向けには、フィールドガイドに開発に関する詳細情報が掲載されている。「WordPress 6.6」の利用はPHP 7.4以降、MySQL 8.0または、MariaDBバージョン10.5以降が推奨されている。