ロシアを拠点とするセキュリティ企業、Kaspereky Lab(カスペルスキーラボ)が米国での事業を7月20日を持って停止したという。米メディアが報じている。

軍や政府系ではソフトのインストールが禁止されていた

Kaspereky Labは米国拠点の従業員に米国事業の閉鎖と解雇を告げたという。初報のZero Dayが複数の情報筋からとして報じたところによると、その後、カスペルスキーはこの情報を認め、7月20日より米国での事業を削減するとZero Dayにコメントしている。

カスペルスキーは、Eugene Kaspersky氏とNatalya Kaspersky氏が1997年に創業したセキュリティでは老舗といえるベンダーだ。米国では2005年よりセキュリティソフトウェアを販売している。

米商務省は6月、調査の結果として米国におけるカスペルスキー製品の禁止を発表した。カスペルスキー側は、これについて「信頼できる第三者機関が当社製品の安全性を独自に検証できるプロセスを提案した」としながら「当社製品およびサービスの完全性を総合的に評価したのではなく、現在の地政学的な情勢や理論的な懸念に基づいて決定を下した」とするプレスリリースを出して異議を唱えていた。

すでに、軍や政府系のシステムでカスペルスキー製ソフトウェアをインストールすることは禁止されていた。

カスペルスキーの3つの事業体がエンティティリストに入るなど、完全な禁止となったことについて、商務長官のGina Marie Raimondo氏は「米国のシステムにロシアや中国のような懸念国が所有もしくは管理する企業のソフトウェアが組み込まれている場合、ロシアや中国は企業に対して持つ権限を使ってデータにアクセスできる」と述べていたという。