マネーフォワードは7月12日、オンラインで2024年11月期第2四半期の決算説明会を開催。説明会には同社 代表取締役社長 CEOの辻庸介氏と、同 取締役執行役員 CFOの金坂直哉氏が出席した。

通期の見通し達成向けて順調な歩み

同社は、バックオフィスSaaS(Software as a Service)を中心とした「ビジネスドメイン」、決済サービスといった「ファイナンスドメイン」、SaaSマーケティング支援を行う「SaaSマーケティングドメイン」、Fintech推進・DX(デジタルトランスフォーメーション)支援を行う「Xドメイン」、家計簿アプリをはじめとした「ホームドメイン」の各ドメインで事業を展開している。

はじめに、辻氏は第2四半期の業績に関して「創業以来、初めて四半期の売上高が100億円を突破した。事業成長の最重要KPIの1つである法人顧客数が9913社、中堅企業向けARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)が6億9000万円増と、前四半期(第1四半期)と比べて成長した。以前からコミットしている2024年11月期におけるEBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization:利払い前・税引き前・減価償却前利益)の黒字化に向けて、今回も四半期EBIDAは5億4000万円の黒字を計上し、通期の見通しの達成向けて順調な歩みを進めている」と述べた。

  • マネーフォワード 代表取締役社長 CEOの辻庸介氏

    マネーフォワード 代表取締役社長 CEOの辻庸介氏

  • 第1四半期の業績ハイライト

    第1四半期の業績ハイライト

業績を説明した、金坂氏も「通期見通しの達成に向けて売り上げ、EBITDAともに順調に進捗している」と手応えを口にしている。

  • マネーフォワード 取締役執行役員 CFOの金坂直哉氏

    マネーフォワード 取締役執行役員 CFOの金坂直哉氏

全社における第2四半期の連結売上高は、前年同期比%41増の103億2000万円、SaaS ARRは同35%増の268億4000万円、EBITDAは5億4000万円の黒字化、売上総利益は同50.1%増の68億5000万円。中堅企業向けARRは同56.4%増の82億4400万円、SMB向けARRは同27.3%増の111億4400万円となった。

  • 全社における売上高推移

    全社における売上高推移

ビジネスドメイン、ファイナンスドメイン、SaaS Marketingドメインの概況

ビジネスドメインの売上高は前年同期比37%増の60億7000万円、法人の課金顧客数は同27.5%増の16万8103、個人を含めた全体では同25.1%増の34万6127。法人ARPA(Average Revenue Per Account:1アカウントあたりの平均売上)は、同8.5%増の11万5334円と前四半期との比較では減少となった。

  • ビジネスドメインの売上高推移

    ビジネスドメインの売上高推移

ファイナンスドメインの売上高は前年同期比165%増の10億2600万円となり、請求・決済代行事業(ストック売上)は同35%増の1億8900万円。前四半期と同じく、売掛金早期資金化事業(トランザクション/フロー売上)はマクロ環境をふまえた与信の引き締めにより、引き続き慎重な対応を進め、HIRC FUNDでは営業投資有価証券の売却に伴う売り上げを計上した。

  • ファイナンスドメインの売上高推移

    ファイナンスドメインの売上高推移

SaaS Marketingドメインの売上高は前年同期比44%増の12億8900万円となり、前四半期から連結を開始したBizHint、SaaS領域に特化したデジタルエージェンシーのADXL、インサイドセールス代行やコンサルティング、インサイドセールスに特化した顧客管理SaaSを提供するBALESなどの既存事業が好調だったという。

  • SaaS Marketingドメインの売上高推移

    SaaS Marketingドメインの売上高推移

Xドメインとホームドメインの概況

Xドメインの売上高は前年同期比20%増の7億3600万円、ストック売上はDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービス「Mikatano」シリーズの成長により、同34%増の3億8700万円となった。今後、機動的かつ柔軟な事業戦略を推進していくにあたり、申請ツ分割で同ドメインの分社化を予定している。

  • Xドメインの売上高推移

    Xドメインの売上高推移

ホームドメインの売上高は、前年同期比23%増の12億400万円となった。「マネーフォワード ME」の利用者が1610万、課金ユーザーは57万となり、プレミアムユーザー課金収入が同17%増の7億4500万円と成長を継続しているほか、「マネーフォワード ケア<はやめにそなえる介護+傷害補償>」の提供を開始した。

  • ホームドメインの売上高推移

    ホームドメインの売上高推移

業績見通しに変更はなく、2024年の連結売上高は前年比30~38%増の395~420億円、SaaS ARRは同30~37%増の300~316億円、EBIDAは10~30億円を計画。広告宣伝費売上高比率は15~17%、人件費外注費売上高比率は64~69%に改善し、EBITDAマージンは2023年11月期と比較してプラス10~15%の改善を目指す。

  • 業績見通し

    業績見通し