SCSKは7月12日、同社グループが目指す「共創ITカンパニー」の実現に向けた取り組みを加速するために、技術戦略「技術ビジョン2030」を策定したことを発表した。これにより、先進デジタル技術の活用による事業構造の変革(デジタルシフト)や、生成AIの活用による飛躍的な生産性向上の実現を目指すとともに、蓄積してきた知財を活用した製品・サービス開発を推進する。

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技術ビジョン2030におけるデジタルオファリング集団への変革

SCSKグループは2030年共創ITカンパニーに向けた経営方針に、「コア事業の高度化・拡大」「お客様のビジネス成長への貢献」「社会への新たな価値創出」を掲げる。これらの取り組みを加速するために、技術ビジョン2030では「先進デジタル技術の最大活用」「技術知財の活用・創出によるソリューションの開発・展開」「お客様や社会の課題解決に向けた多様なステークホルダーとの技術共創」の3つを軸に、デジタルオファリング集団への変革を推進する。

これに加えて、先進デジタル技術と技術知財の活用によるデジタルオファリング事業比率70%以上の実現、生成AIを活用した「AI駆動型開発」の100%適用、高度デジタル人材を1万人に拡充を、2030年までに達成するとのことだ。

注力するデジタル領域

技術ビジョン2030では、AIおよびデータ活用を軸とした注力デジタル技術領域を定めている。ビジネスやサービスの価値向上のために、AI/データ活用、クラウドネイティブ、UX(User Experience)デザインの融合、生成AIを生産技術に適用したAI駆動型開発による生産性向上の実現などに注力する。

また、大きな社会課題であるサイバーセキュリティ領域に対応するため、技術力の高度化と強化についても進める。さらには、研究開発組織を中心に、将来的に活用が期待される「先端技術」の選定や早期の事業適用に向けた取り組みも進めるとのことだ。

デジタルケイパビリティを強化

同社は2023年9月から、グループのデジタルケイパビリティの強化に向けて全社横断のデジタルCoE(Center of Excellence)を、「AI/データ活用」「クラウドネイティブ」「UXデザイン」の各領域で順次設置している。

また、高度デジタル人材の採用と育成のさらなる強化に取り組むとともに、オープンイノベーションによる外部企業・団体との技術協業・提携もさらに推進するとしている。