【急成長ペットフードD2Cの展望は?】犬猫生活 佐藤淳社長「急成長で売上25億円も視野に」

2018年からペットフードなどのECを展開する犬猫生活は近年、売り上げを急拡大させている。2023年4月期の売上高は、11億5000万円と、前期比で倍以上の増収となった。2024年4月期の売上高についても、前期比55.7%増の17億9000万円となっており、2025年4月期は売上高25億円の達成を目標に掲げている。前期の振り返りと、今後の展望について、佐藤淳社長に話を聞いた。

当社がEC運営で意識しているポイントは、「商品開発」と「顧客からの信頼」だ。

ペットフードは、食べてもらうことが一番重要だ。香料や添加物を使わず、安全性を担保するのはもちろんのこと、いかに食べてもらえる商品を作るかを意識している。

ペットフードの選び方では、先に予算を設定する人が多い。「月のペットフード代を2000円にしようか、それとも5000円にしようか」といった迷い方をする人は少ない。切り替える場合でも、従来と同じ価格帯のフードを試して、続けるか否かを決めるという人が多いだろう。

当社の顧客は98%が定期購入だ。新規顧客を獲得し、いかに継続してもらえるかが鍵になってくる。ペットに継続して食べてもらい、低い解約率を維持することが、売り上げ拡大につながってくるだろう。

商品力以外に重要になってくるのが、会社としての信頼だと考えている。

<財団としての活動も>

当社では、「犬猫福祉財団」という団体を運営している。殺処分の対象となる犬猫を迎え入れるためのシェルターを作り、運営している。

群馬県のホームセンターとの取り組みでは、ホームセンター内に、シェルターを作った。このホームセンターでは、普段生活している場所で譲渡会を行うため、限りなく日常に近い状態の犬猫を見ることができる。そのため、譲渡にもつながりやすいのではないかと考えている。

ホームセンターでの取り組みは、2023年5月から始まり、約1年間で29頭の譲渡が決まった。今後もこういった取り組みを進めていければと思う。

【記者の目】

ペットフードD2C市場には、ここ数年で多くの企業が参入した。その中でも、ひときわ目立っているのが「犬猫生活」だ。売上高は設立から順調に増加しており、2025年4月期の20億円超えは固そうだ。財団を含めた活動も独自性が高く、ペット業界からの注目度も高まっている。