吉積情報は7月1日、Google Workspaceで利用できる法人向け生成AIチャットツール「WorkAIzer(ワークアイザー)」の正式リリースを発表した。

誤回答対策に複数のLLMを活用し、機密情報保護・利用状況監視のための機能を備えたGoogle Workspace上で活用できる生成AIツール

「WorkAIzer」は、Google Workspace導入企業向けの生成AIツール。基本プロンプト・社内・部内専用プロンプトなどにより、シンプルな操作で生成AIを使用可能で、個人プロンプトの保存・共有が可能な他、Google音声認識によりスムーズな音声入力にも対応する。LLM(大規模言語モデル)で発生するハルシネーション(AIが事実と異なる誤った情報を生成する現象)対策として、複数のAIモデルを組み合わせて使用し生成内容の検討を行う機能を実装した他、LLMを任意で選択しそれぞれの特徴を生かした生成AIの活用にも対応する。執筆時(2024年7月時点)で「Gemini Pro」「GPT-3.5」「GPT-4.0」「GPT-4o」「Claude 3 Haiku」が利用できることを発表している。

機密情報ブロック設定機能(同社資料より)

機密情報ブロック設定機能(同社資料より)

セキュリティに関しては、入力内容をAIに学習させないように設定可能な「AI学習拒否設定」機能、社内共通用語や名称、特許、知財などのキーワードを別のワードに置き換える機能、クレジットカード情報やメールアドレスなどの個人情報の送信をブロックする機能などにより機密情報の保護を行うと共に、全ての入出力をGoogle Cloudに保存し、利用状況を可視化・モニタリングすることで情報流出の防止する機能も提供する。

限定的な機能が利用できる無料プラン「WorkAIzer Starter」、Gemini Pro、GPT-3.5、Claude 3 HaikuなどのLLMが利用でき、1ドメインあたり利用回数制限なしで240万文字程度まで利用できるライトモデル「WorkAIzer Lite」(1ライセンス900円/月額税別)、複数の生成AIモデル及びほぼすべての機能が利用できる高機能版「WorkAIzer Business」(1ライセンス1400円/月額税別)、最大約1億文字程度まで利用可能な最上位版「WorkAIzer Enterprise」(1ライセンス4400円/月額税別)の4つプランを提供。詳細はWebサイトで確認できる。

吉積情報はGoogle Cloudプレミアムパートナー企業に認定されており、Google Workspaceを活用した様々なサービスを展開、AIサービスに関しても文字起こしエディタサービス「もじこ」の提供を行っており、満を期してのAIチャットサービスのリリースとなる。