製造業の約9割が「B2Bコマースが重要」 主な課題は「基幹システムとのデータ連携」【Contentservが調査】

商品情報管理(PIM)のクラウドサービスプロバイダーContentservはこのほど、製造業のB2Bコマースに関する実態調査を実施し、結果を公開した。約8割がB2Bコマースでの課題を認識しており、50.6%が主な課題として「基幹システムとの情報連携」を挙げた。

Contentservは、商品情報管理 (PIM) 、デジタルアセット管理 (DAM) を統合した Product Experience Cloudを展開している。

このほど、B2Bコマースにおける課題をヒアリングし、その効率化に向けた戦略的施策を明らかにするべく、製造業のB2Bコマースに関する実態調査を実施した。調査期間は、2024年6月10日~6月17日。対象は、B2B コマースを実施、または実施を検討している年商200億円以上のBtoB製造業の経営者・役員、管理職107名。

BtoBコマースの実施は重要な戦略かをたずねた問いでは、「非常にそう思う」(62.7%)と「ややそう思う」(26.2%)を合わせ、約9割の回答者がB2Bコマースの実施を重要な戦略と認識していることがわかった。デジタル変革の進展に伴い、企業間取引のデジタル化が進んでいることがうかがえる結果となった。

B2Bコマースの導入を検討した理由をたずねた問い(複数回答)では、「売上の向上」と「営業効率の向上」がそれぞれ56.1%ともっとも多く、「顧客のニーズに応えたい」が32.7%で続いた。

具体的な理由としては、「コストパフォーマンスの良さ」と「顧客価値への直接的な影響」「海外企業の売上比率を上げるため」「業務全般の効率化」「自社の体制への適合感」が主要理由として挙がった。Contentservは、企業がデジタル変革を通じて、収益機会の拡大と業務プロセスの効率化を求めていることを示唆しているとの見解を示した。

BtoBコマースにおける課題をたずねた問い(複数回答)では、「基幹システムとのデータ連携」が50.6%でもっとも多く、「社内全体の業務フローの見直し」が39.5%で続いた。この結果から、企業のデジタル基盤整備が十分でない現状を表し、効率的なデータ管理とプロセス最適化が求められていることがうかがえるとしている。

「eコマースサイトでの商品情報の提供」についてたずねたところ、「かなり課題になる」(22.4%)、「やや課題になる」(51.4%)を合わせて7割以上が「商品情報の提供」が課題になると回答した。課題に思う項目をたずねた問い(複数回答)では、「組み合わせ商品の提案」(51.9%)、 「顧客の検討状況に合わせた情報提供」(50.6%)、「ユースケースや顧客レビュー情報の提供」(43.0%)が多くの回答を得た。

B2Bコマースのシステムにおいて重要だと思う機能をたずねた問い(複数回答)では、「販売分析機能」(43.0%)がもっとも多く、次いで「見積もり生成機能」(41.1%)、「在庫商品通知機能」(39.3%)となった。これらはB2Bコマースプラットフォームにおいて、企業が効率的な販売プロセスとクライアント管理を追求していることを示しているとし、企業の運営効率と顧客満足度の向上に寄与するための機能が重視されているとの見解を示した。

B2Bコマースやサービスシステムにおいて鮮度の高い商品情報を提供するうえで、商品情報管理(PIM)の活用の重要性をたずねた問いでは、「非常にそう思う」(35.5%)、「ややそう思う」(47.7%)合わせて83.2%が重要と認識していることがわかった。デジタルコマースにおける効率的な商品情報の管理が、企業の市場対応速度と顧客満足度向上に直結していることを示しており、PIMの戦略的利用は、B2Bコマースの普及に伴い重要性を増していることが明らかになったとしている。

本調査の結果を受け、Contentservは、多くのB2B製造業の経営層・上層部がB2Bコマースを重要な戦略と捉えていることが確認されたとし、多数の企業が売上と営業効率の向上を目的にB2Bコマースの導入を実施または検討しており、顧客ニーズへの対応が重要な動機の1つとなっているとした。

一方で、基幹システムとのデータ連携や非効率な業務プロセスなど、多くの企業が課題を抱えており、特に「eコマースサイトでの商品情報の提供」については、調査参加者の73.8%が課題としており、「組み合わせ商品の提案」や「顧客の検討状況に合わせた情報提供」など、カスタマイズされた情報提供の必要性が増しているとした。これらの課題は、製造業におけるB2Bコマースの浸透と発展のための解決すべき要件であり、業界全体での対応が求められていると言えるとの見解を示した。