岡山大学は6月27日、患者の心理的ケアとして、24時間365日利用可能なAIシステムを開発したことを発表した。

今回発表されたAIシステムは、患者のさまざまな悩みや気持ちに寄り添い、孤独感や不安の軽減を目指すのに加え、医療現場での新たなメンタルケアサポートの選択肢として確立することを目標とする。

AIシステム開発の背景

患者は治療に伴う身体的な苦痛だけでなく、将来への不安や恐れ、孤独感など、さまざまな心理的ストレスを抱えている。特にがんなどの生命にかかわる疾患と闘う患者については、夜間・休日など周りにサポートしてくれる人が少ない時に、不安な気持ちを1人で抱え込んでしまうことがあるという問題があったという。

そこで、岡山大学の学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢准教授(整形外科)を中心とするチームが開発したのが、AIを用いたメンタルケアサポートシステム。

同システムを活用することで、患者さんの悩みや不安の訴えに24時間365日寄り添えるようになるという。

AIシステムの概要

今回発表されたAIシステムは、患者の心理状態を理解し、共感的な対話を通じて、不安や孤独感を和らげることを目指しており、岡山大学病院小児医療センターと協力して作成された。

  • 実際の会話例

    実際の会話例

今回の取り組みは、患者のメンタルヘルスケアに新たな選択肢を提供するものであり、従来の医療者によるサポートと併用することで、より効果的で包括的なケアが可能になると期待されているという。