カンビアは6月18日、技術系職種における理系新卒採用に取り組む104社の企業を対象に実施した、配属先決定に関するWEBアンケート調査の結果を公表した。配属先通知のタイミングは「入社後の研修期間」(42.3%)が最多であった。
同レポートは、技術職・研究開発職・ITエンジニア職のいずれかにおいて、理系学生の新卒採用に取り組む企業を対象に、6月10日~6月13日の期間実施した「配属先決定」に関するWEBアンケート調査に基づく。
配属先通知のタイミング
配属先通知のタイミングとして最も多いのは「入社後の研修期間」(42.3%)で、企業が新入社員の適性を見極めた上で配属先を決定する姿勢が見受けられる一方で、募集段階で配属先を明示する企業も約3分の1を占めた。入社後(入社式~研修期間)と入社前(募集段階~入社前)で分けると、前者が44.2%、後者が55.8%であり、入社前に伝える割合が多いようだ。
また、製造業とIT業界だけに絞ると、製造業では入社後の研修期間に配属先を決定する企業が過半数を占め、新入社員の適性を見極めた上での配属を重視している。一方、IT業界では募集段階で配属先を明示する企業が過半数を占め、職種別の採用を重視する傾向が強い。
配属先を通知する場合の変更予定に関しては、入社前に配属先を通知する企業に絞ると大多数が現行の配属先通知方法を維持する意向を示し、変更の予定がない企業が約7割を占めた。他方、入社後に配属先を通知する企業では将来的に変更を検討している企業の割合が約17%と、入社前に通知する企業よりも高かった。
配属先決定における課題
配属先決定における課題については、企業が感じている主な課題として、本人の希望と会社の要望のマッチングが難しいこと、全社員の希望に応えられないこと、経営層によるトップダウン配属決定に対する不満が挙がった。
また、都市部勤務希望の集中や入社前の希望変更による調整の必要性、人気のない配属先の募集が困難という希望と現実の乖離も問題となっている。そのほか、採用人数が多いため全ての学生の希望を反映させることが難しいこと、特定の職種で人が集まりにくいこと、配属後に適性が異なる場合の調整が必要であること、計画的な人員配置の難しさといった課題に企業は直面しているという。
加えて配属先通知を入社前に実施する企業では、職種別に募集を公開することもあれば、説明会や面接の際に学生の希望を確認した上で、その職種を前提に選考へ進めるケースもある。
一方、入社後に通知する企業では、入社後に各部門の仕事を体験する期間を設定し、学生の希望が叶うように配慮しているが、全員の希望を実現しきれない悩みも多くあるという。