Microsoftはこのほど、「What's new in the Windows Subsystem for Linux in May 2024 - Windows Command Line」において、WSL (Windows Subsystem for Linux)に関する重要なアップデートを伝えた。
WSLの最新アップデート、新機能と改善点
WSLの機能強化および開発の概要は次のとおり。
- メモリ、ストレージ、ネットワークの改善
- WSL設定GUIアプリケーションの登場
- ゼロトラストセキュリティモデルの導入
- Dev HomeでのWSL管理
- ボーナス改善
WSLの最新プレリリースバージョンではメモリ、ストレージ、ネットワークの基礎部分に大幅な改善が加えられている。具体的には、WSLが使用しているメモリを自動的に解放する機能、ネットワーク機能の向上が含まれている。また、ディスク領域の再利用やIPv6サポートなど、新しい実験的機能も導入されている。
WSLの設定をカスタマイズするには、これまでテキストベースの.wslconfigファイルを編集する必要があった。しかし、新たにリリースされるWSL設定GUIアプリケーションにより設定のカスタマイズが大幅に簡単になる。利用可能な設定を視覚的に確認できるようになり、テキストファイルと互換性があるため必要に応じてGUIアプリ、テキストエディター、またはその両方を使用して設定を編集できる。
WSLはゼロトラストセキュリティモデルに基づいて構築されており、企業向けに新機能およびサポートが追加されている。Microsoft Defender for EndpointのWSL 2サポートが一般提供されるようになり、WSL環境を監視する機能が強化されている。また、WLinux Intuneエージェントの統合によりWSLの設定管理がさらに強化され、条件付きアクセスシナリオが適用可となった。
近日公開予定のDev Homeに「Environments」機能が追加され、Hyper-Vマシンや開発ボックスなどの新しい開発環境を管理、起動、作成可能になる。
さらに、Windows上のLinuxユーザー向けに、興味深い新機能が追加されている。Sudo for Windowsを利用することでWindows上でsudoコマンドを使用できるようになっており、AIを活用した新しいLinux開発コンテナ環境を簡単に構築できるクイックスタートプレイグラウンド機能も導入されている。