人材サービスを手掛けるスイスAdecco Groupの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコは5月29日、日本全国の20代と30代の会社員および公務員・団体職員を対象にした「ゆるブラック」に関する調査の結果を発表した。これによると、現在の勤務先がホワイト企業だと考えている若手社員・職員の4割以上が、勤務先はゆるブラックだと考えているという。
同調査は同社が2023年12月27日~28日にかけて、全国の20代と30代の会社員(正社員、派遣社員、契約社員・嘱託社員)および公務員・団体職員を対象としてインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は各年代男女250人ずつの計1000人。
なお、同社はゆるブラックを、働きやすく居心地は良いが、仕事のやりがいや成長を感じられず、スキルアップやキャリアアップも難しい職場と定義している。
若手の4割は「ゆるブラック」と認識
自身の勤務先がホワイト企業とブラック企業のどちらと思うかを尋ねると、計68.9%が、ホワイト企業またはどちらかといえばホワイト企業と回答した。
勤務先がホワイト企業だという回答者に、勤務先はゆるブラックだと思うか質問したところ、計40.3%が、ゆるブラックまたはどちらかといえばゆるブラックだと回答している。
「ゆるブラック」と感じる10人に1人が「転職活動中」
現在の勤務先がゆるブラックだという回答者に対して、実際に転職するかどうかは問わず、今後1年以内に転職しようと考えているか尋ねると、10.1%が「すでに転職活動をしている」、27.3%が「1年以内に転職しようと考えているが、まだ活動はしていない」と回答した。
全回答者に、勤務先に関する4つの項目について期待度を聞いたところ、キャリア形成については約6割が望めないまたはどちらかといえば望めないと回答した。また、昇進・昇格、昇給、スキルアップについても、5割以上が望めないと考えている。
調査結果を受けて同社ピープルバリュー本部長の籾山直威氏は、「若手が働きやすさやワーク・ライフ・バランスを重視しているというのは、楽な仕事を求めているということではないことに、注意する必要があります。若手の人材が働きがいを感じながらいきいきと仕事に取り組めるようにするためには、企業は社内で成長の機会を提供し、スキルアップを含めたキャリア形成をサポートする必要があります。そうすることによって、持続的な成長を実現するために必要な人材を社内に留め、また、求める人材を外部から採用することにも繋げていけるでしょう」と提言している。