ライオンとNTTデータは6月3日、ライオンの衣料用粉末洗剤の生産技術領域注1において、国内熟練技術者の暗黙知となっている技術や知識・ノウハウを、生成AIを用いて形式知化する取り組みを6月から開始すると発表した。

ライオンにおける生成AIを用いて形式知化する取り組みの概要

両社は、衣料用粉末洗剤の製造プロセス開発において、文章化されていない暗黙知を抽出し「勘所集」として文書化する。

さらに、生成AIを活用した検索サービス「知識伝承AIシステム」に「勘所集」を取り込むことで、新たに衣料用粉末洗剤の製造プロセス開発を行うメンバーが、熟練者の技術や知識・ノウハウを容易に検索・活用して、効率的に担当業務が遂行できるよう支援する。

具体的には。NTTデータが持つ先進的な技術や知見を生かして、インタビュー結果をまとめる工程への生成AIの適用を検討する。

これにより、新たに衣料用粉末洗剤の製造プロセス開発業務にあたるメンバーは、勘所集が取り込まれた「知識伝承AIシステム」を参照することで、熟練者から効率的に技術を継承し、担当業務に取り組むことが可能となる。

  • ライオンにおける生成AIを活用した暗黙知伝承に関する取り組みの仕組み

今後の展開

ライオンは、熟練者の暗黙知の抽出範囲の拡大や定期的な抽出および他製品への展開を進めることで、国内および海外拠点における技術力の向上を図り、グローバルな競争力の強化につなげる構え。

NTTデータは、形式知化された情報と暗黙知化された情報を掛け合わせ、知識伝承および活用のユースケースを確立するとともに、暗黙知まで含めた知識抽出と生成AI活用を組み合わせたサービス提供を積極的に推進する。