インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月30日、千葉県白井市より圃場(約68.5アール)を借り受け、一連の稲作作業において、IoTデバイスや通信に用いる無線技術等の有用性を検証する実証実験を10月まで行うと発表した。実証実験は今年2月から開始している。

実証実験の内容

具体的には、現在開発中の水位・水温を測定する水田センサー、遠隔で圃場の水位を調節できる自動給水装置、気象センサー等のIoTデバイスを圃場に設置し、LoRaWAN、Private LoRa、Wi-Fi HaLowを用いたデータ送受信の試験などを行う。

各試験を通じ、現場環境におけるセンサーの正常稼働の確認、稲作作業の労働負荷削減および節水の効果測定、作物の収穫量や品質の評価を行う。

LoRaWAN、Private LoRa、Wi-Fi HaLowはいずれも免許が不要な周波数920MHz帯で利用でき、低消費電力かつ長距離通信を特長とするIoT/M2Mに最適な無線通信技術。Wi-Fi HaLowはWi-Fiと同様にIP通信が可能であり、汎用性の高い規格。

各デバイスから取得したデータは「IIJ水管理プラットフォーム for 水田」等に集約・可視化し、農家、白井市、IIJがスマートフォンやPCなどで閲覧が可能。

また、水位や水温調整は自動給水弁を用いて遠隔でコントロールし、現場での作業を必要最低限に抑えて省力化を図る。

  • 実証実験のシステム構成