米IBMとPalo Alto Networksは5月15日(現地時間)、IBMのSIEM「QRadar」のSaaS(Software as a Service)版を取得することを発表した。QRadarの既存顧客はPalo Altoの「Cortex XSIAM」にシームレスにマイグレーションできるようにするという。
提携の概要
QRadarはネットワーク機器、サーバーやアプリケーションのログやイベントデータを収集して分析するSecurity Information and Event Management(SIEM)。買収金額などの条件は公開されていない。
買収完了後、既存顧客でPalo AltoのSOCプラットフォームであるCortex XSIAMへの移行を望む顧客に対して、スムーズに移行できるよう協力する。オンプレミスの顧客で継続してQRadarを使いたい顧客は、IBMよりコネクタ、セキュリティ、重要なバグ修正、ユーザビリティなどのアップデートを受けることができる。
一方、データとSOC機能(XDR、SOAR、ASM、SIEM)を1つのAI駆動プラットフォームに統合するソリューション。
今回の取引は、両社の広範な提携の一環として発表された。IBMはPalo Altoを優先サイバーセキュリティパートナーとして、ネットワーク、クラウド、SOC(Security Operation Center)を優先的に採用する。
また、IBMは1000人以上のサイバーセキュリティコンサルタントをPalo Alto製品を扱うようトレーニングするという。一方、Palo AltoはCortex XSIAMにIBMのLLM(大規模言語モデル)「watsonx」を組み込み、「Precision AI」ソリューションを提供する。セキュリティ分野ではCiscoがSplunkを買収するなど、再編が進んでいる。