米Salesforceはこのほど、「Zero Copy Partner Network」を発表した。これは、ゼロコピーでSalesforce Data Cloudとセキュアかつ双方向の統合を構築し、ローコード開発プラットフォーム「Salesforce Einstein 1 Platform」全体でデータを活用できるようにするテクノロジーおよびソリューションプロバイダのグローバルエコシステム。
ゼロコピーによる統合のメリット
複数のデータソースを統合して分析を行う場合、元のデータを損なわないよう、別な場所にデータをコピーすることがある。この場合、データをコピーする場所を確保する必要があり、手間もかかる。しかも、頻繁に更新されるデータの場合、この方法では最新の状態で分析できない。
こうしたデータ分析の課題を解決するため、Snowflakeはデータクラウドを連携させて、コピーすることなく複数のデータソースが利用できる「データコラボレーション」というコンセプトを打ち出している。
今回のSalesforceもデータコラボレーションに追随するものといえる。
Salesforceは以前、Amazon Redshift、Databricks、Google CloudのBigQuery、Snowflakeと、Data Cloudにおいてゼロコピーにより双方向で統合するコンセプトを導入した。
ゼロコピーが行えない場合、企業はSalesforceから外部データウェアハウスへのデータの統合と移動のために、カスタム統合と複雑なデータパイプラインに頼る必要がある。
従来の抽出や変換、ロード(ETL)プロセスやデータパイプラインとは異なり、ゼロコピーによる統合は、データをビジネスアプリケーションに接続する、効率的かつ安全でユーザーフレンドリーな方法を提供する。
ゼロコピーによる統合で実現すること
ゼロコピーによる統合では、以下が実現される。
- コピーなしで(リバースETLなしで)ライブの外部データにアクセス
- 業務フロー中で、どこからでもデータにアクセス可能
- Customer 360のインサイトをコピーなしで共有
- ガバナンスとセキュリティの維持
- 生成AIのグラウンディング
構造化データに加えて、PDFや通話記録、メールなどの非構造化データにも接続できるゼロコピー統合機能により、Einstein Trust Layerを通じて送信されるAIプロンプトに統一されたビジネスデータを取り込める。
Zero Copy Partner NetworkにMicrosoftが参画
今回、初期パートナーのAmazon Web Services (AWS)、Databricks、Google Cloud、Snowflakeに加え、MicrosfotがZero Copy Partner Networkに参加したことが発表された。
これにより、ユーザーはAzure Synapseでビジネスデータにアクセスし、Microsoft FabricとSalesforce Data Cloudで双方向のゼロコピーデータのアクセスが可能になる。