日立製作所(日立)と東武鉄道(東武)は4月8日、埼玉県内の東武ストア3店舗(越谷店・みずほ台店・新河岸店)に、指を専用装置にかざすだけで決済や年齢確認ができるセルフレジを11日より導入すると発表した。

  • 東武ストアで導入するセルフレジでお買い物する様子(イメージ)

    東武ストアで導入するセルフレジでお買い物する様子(イメージ)

利用客は、購入したい商品のバーコードをセルフレジでスキャンすると、決済方法で「指静脈認証」を選べるようになる。セルフレジで年齢確認も行えるため、店員による確認なしで酒類などを購入できる。ただし、この決済方法を利用するには、事前に専用サイトで氏名や生年月日、クレジットカード情報などを登録し、東武ストア店舗内の特設カウンターで指静脈を登録する必要がある。

決済や会員確認、年齢確認などの時間が短縮でき、会員証の忘れや紛失によるリスクの解消にもつながる。店舗側のメリットとしては、会員証の貸し借りといった不正防止につながる点だ。またセルフレジの利用率が向上し、店舗人員の最適な配置ができるようになる。

かざした指が認証鍵になる指静脈認証は、生体情報から秘密鍵と公開鍵を生成し、公開鍵をクラウドで保存する。「一方向性変換」という技術により生体情報へ復元できない仕組みになっている。仮に情報が漏えいしたとしても個人を特定することができない仕組みだという。

両社は今後、東武ストアの利用可能店舗を拡大するだけでなく、商業施設やホテル、アミューズメントなど幅広い分野への導入を進める。また、東武グループ以外の企業が展開する店舗やサービスへの導入も進めていきたい考えだ。