平戸洸祥団右ヱ門窯、三川内焼きの魅力を全国に訴求 「深いファン」を育てる

長崎県佐世保市で陶磁器を製造する平戸洸祥団右ヱ門窯は、ECサイトで三川内焼の魅力を伝えながら、商品を販売している。「深いファン」を育てることが狙いだ。

 

三川内焼は、長崎県佐世保市三川内町で作られる陶磁器の銘柄。「絵のような繊細な文様が特徴」(同社)と言う。受け継がれた技術で施された細工で、芸術作品としての評価も高い。

 

ECサイトでは、三川内焼きの特徴が全国の人に伝わるよう情報発信している。商品の見せ方にこだわっている。

 

三川内焼の焼き方や細工の方法など、伝統技法のこだわりも伝えている。例えば、登り窯を紹介するページでは「普段見えないところについて、窯元の職人が語っている」(同)。作り手の顔が見えるサイトで、商品の背景にあるストーリーを紹介している。

 

商品ページを白バックにしたのは、色や細工が見えやすいようにするためだ。代表的な白磁に青の文様が施された作品では、三川内焼の繊細なデザインが伝わりやすくした。

 

こうした三川内焼のこだわりを発信するのは、ファンを育てるためだ。「こだわりを知り、深く見てもらうことで、好きになったファンに商品を届けたい」(同)と話す。この狙いが奏功し、購入単価向上とリピーター獲得に成功している。

 

三川内焼の認知を拡大するために、早くから実店舗とオンラインの両方でイベントを実施してきた。地元で開催される「はまぜん祭り」に合わせたイベントをサイトでも実施。リアルの場でつかんだファンは、ECサイトでの購入にもつながっている。

 

今後も、こだわりを伝え、「深いファン」への訴求を進めていく方針だ。