【農林水産省】コメ先物、指数で復活なるか 農水省は慎重姿勢崩さず

堂島取引所(大阪市)が、コメの市場価格を指数化した先物の上場認可を農林水産省と経済産業省に申請した。堂島取引所は試験上場していた先物の本上場が認められず、2022年に取引を事実上終了したが、複数の銘柄の価格から算出する指数で復活を目指す。ただ、コメの先物取引には、JAグループを支持母体とする自民党農林族が反発しており、農水省は慎重な姿勢を崩していない。

 農水省は、堂島取引所が21年に申請した本上場について、取引参加者の増加が見込めないことや、取引の9割が新潟コシヒカリに偏っていることなどを理由に認可しなかった。今回の申請について、坂本哲志農相は「十分な取引が見込まれるか、生産流通を円滑にするため必要かつ適当か、慎重に判断がなされる」と述べるにとどめた。

 主食用米は、JAグループが農家に概算金を支払って買い上げ、卸に販売する流通ルートが主流だ。一部農家は、JAごとに異なる概算金の決定過程が不透明と反発。この動きを恐れた農林族は、先物は認めなかったものの、妥協案として現物市場の開設は容認した。しかし、昨年10月に民間シンクタンクが開設した現物市場も取引は低調で、国内のコメ取引に「神の見えざる手」は存在しない。

 実需筋だけでなく、金融投資家もリスクヘッジのために参加する先物取引では、世界中のリスク要因が価格に反映される。異常気象や戦争、国際的な穀物価格の動向、物流網の寸断など価格に影響を与える要因を察知するには、多様な市場参加者が発する「価格シグナル」を指標として用いるのが最善だ。

 本来、国策として食料安全保障を謳うのであれば、主食であるコメの指標価格が不可欠なはずだ。しかし、慢性的なコメの生産過剰と、それを糊塗するための生産調整による価格支持という生産者保護の自民党農政とは相容れない。農水省には政治的なハードルを乗り越える胆力が問われている。

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