フルテックとTISインテックグループのインテックは3月5日、共同で「橋梁損傷原因のAI診断支援技術」を開発したことを発表した。同技術はフルテックが提供する「橋梁損傷原因のAI点検システム」において、橋梁の損傷要因に関する一次判定を行う際に使う。

また、フルテックの「橋梁損傷原因のAI点検システム」は国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS(New Technology Information System)」にも登録されたという。NETISとは、国土交通省が新技術活用のために新技術に関する情報の共有および提供を目的として整備したデータベースシステム。

フルテックの「橋梁損傷原因のAI点検システム」

フルテックが提供する橋梁損傷原因のAI点検システムでは、アルカリシリカ反応を対象にAIによる診断を実施する。アルカリシリカ反応とは、コンクリート中の強アルカリ性溶液に骨材に含まれる反応性シリカが溶解し、溶解した物質が吸水膨張する現象。この反応を生じたコンクリート構造は点検および補修設計で特別な配慮が必要となる。

  • 橋梁損傷原因のAI診断支援技術の概要

    橋梁損傷原因のAI診断支援技術の概要

「橋梁損傷原因のAI診断支援技術」の概要

今回両社が開発した橋梁損傷原因のAI診断支援技術は、AI診断モデルに橋梁の損傷状況などの必要情報を入力して損傷要因の発生可能性の一次判定を行い、その結果を出力する。

ひび割れなどの損傷情報だけでなく、コンクリートの損傷発生に影響を与える設計や、周辺環境に関する情報も加味した学習データからAIモデルを生成し、診断精度を向上させている。

また、ひび割れなどの損傷情報を記載したCADファイル(損傷図)から損傷情報を入力可能で、ひび割れの密度など診断に必要な損傷情報をCADファイルから自動計算して入力するため、システム利用にかかる負担の軽減も見込めるという。

  • 利用イメージ

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