TISインテックグループのインテックは、長野県伊那市と高校生を中心とした市内の人流解析の実証実験を実施することを発表した。

同社は、2023年5月に伊那市と「新しいまちづくりに関する連携協定」を締結し、伊那市独自のスマートシティの構築や地域ブランドの創出に向けて取り組みを進めてきており、今回の実証実験は、その取り組みの一環となる。

実証実験の背景

今回の実証実験は、高校生や自家用車を持たない市民の移動の自由度や生活満足度が下がることで、高校生を抱える家庭の市外への流出など、人口の動態が変わることが懸念されていることを背景に実施されるもの。

両者は、地域の生活動態に基づいた若い世代に魅力的なまちづくりを行うことを目的に、市内の3つの高校と公共交通拠点における人流解析を行い、地域のデータを組み合わせて可視化する実証を行うことに決めたという。

実証実験の概要

実証実験は、インテックが提供する「エリアデータ利活用サービス」を利用して実施される。計測器(Wi-Fiパケットセンサ:スマートフォンやパソコン、ゲーム機などから発信されるプローブリクエストを検知する機器)を市内11箇所に設置し、スマートフォンなどの通信機が発する情報を受信することで、計測器周辺にあるWi-Fi機能をオンにした通信機の台数や移動、滞留を計測する。

これらを公共バスなど地域の公開データと組み合わせて可視化し、今後のまちづくり政策に活用できるかの検証を行っていくという。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

実施期間は2023年12月~2024年3月で、センサの設置期間は2023年12月19日~2024年2月22日が予定されている。

インテックは、今回収集したデータの解析とともに市民へのアンケートを行い、データ結果を踏まえて伊那市のまちづくり政策や公共交通政策検討につなげていきたい構え。