国立循環器病研究センター(以下、国循)、Noel、Ridgelinezは2月15日、動作解析を行うAIモーションセンシング技術を用いて認知症高齢者の歩容特徴を検出するアルゴリズムを開発し、社会実装に向けた取り組みを開始することを発表した。

歩行中の認知症高齢者の特徴を日常生活の中で非侵襲的な方法を用いて検知し、それにより早期発見や周囲からの早期の声がけなどを促すことで、社会全体で認知症高齢者を守る認知症共生社会の実現に貢献することを目指すとのことだ。

取り組みの具体的内容

3者は今回の取り組みにおいて、2023年度から2027年度までの間に企画の構想から研究開発成果の社会実装まで実施する予定だ。まずは2024年から2025年にかけて、認知症の兆候を検知する歩容分析技術の確立と、認知症高齢者を対象とした分析技術の効果検証を行う。

Ridgelinezは取り組み全体の企画構想を行うとともに、国循と共同で認知症高齢者の歩容の特徴を検出するAIモーションセンシング技術を活用したアルゴリズムを開発する。開発に当たっては、「Human Motion Analytics」の姿勢認識AI技術を活用し、歩容動作をセンシングしたデータを利用。社会実装に向けたルールメイキング調査やソリューション企画なども担当する。

国循はRidgelinezとのアルゴリズム開発において、医学面での技術監修を担当。この取り組みは認知症高齢者を対象とした観察研究であり、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」などを遵守。得られた成果のアウトリーチとして論文発表も担う。

Noelは開発したアルゴリズムを社会実装する際のアプリケーションを開発する。アプリケーションは日常生活の中で認知症高齢者の兆候を検知するサービスとして設計し、Ridgelinezおよび国循とともに模擬環境下での社会実装の後、実環境下でのサービス試行を進める。