オンラインバックアップサービス企業のBackblazeは2月13日(現地時間)、「Backblaze Drive Stats for 2023」において、同社が利用しているハードディスクドライブ(HDD)の2023年の故障率について伝えた。メーカー別およびモデル別のハードディスクの年間故障率や、故障率が特に低かったハードディスク、容量別の年間故障率の変動などの統計が公開された。
年間故障率は過去2年と比較して上昇傾向
Backblazeは2023年末の時点で、27万222 台のハードドライブを監視していたが、466 台のドライブを評価から外したという。
Backblazeから公開された2023年におけるハードディスクの年間故障率の主なポイントは次のとおり。
- 故障率がゼロのハードディスクはSeagate 8TBモデル(ST8000NM000A)だけ。ただし、稼働中のハードディスクは204台で、ドライブ日数は52,876日と少ないことを留意する必要がある
- 2023年に故障したドライブ数は4,189台で、平均して2時間5分ごとにドライブ交換が必要だった
- 2023年の年間故障率は1.70%で、2022年の1.37%、2021年の1.01%と比較して上昇傾向にある。ドライブフリートの平均使用年数が増加したことが影響していると考えられており、第2四半期以降、容量4TBの古いモデルから16TBの新しいモデルへの移行を進めている
容量別では8TB/10TB/12TBの故障率が顕著に上昇
レポートでは、容量別の四半期ごとの故障率の特徴として、以下が挙げられている。
- 2022年後半より、8TB、10TB、12TBのモデルの故障率が顕著に上昇している。2021年第2四半期には約1%だった故障率は、2023 年第4四半期にはいずれも2%を超えている
- 4TBのモデルは当初は上昇傾向だったが、2022年にピークを迎え、その後は減少した
- その他のモデル(6TB、14TB、16TB)の故障率は、全期間を通じて約1%で変動している
- 2022年と2023年の年間故障率の比較では、8TBのモデルが1.21%増、10TBが2.84%増、12TBが1.03%増となっている
レポートでは、生涯にわたる故障率の傾向についてもまとめられている。それによると、2023年第4四半期時点での全ドライブの生涯故障率は1.46%で、2022年第4四半期時点の1.39%から上昇したという。その他に、メーカー別の生涯にわたる故障率の傾向なども分析されている。
Backblazeは四半期や年ごとに同社のデータセンターで使用しているHDDやソリッドステートドライブ(SSD: Solid State Drive)に関する年間故障率を公開している。実際に使われているHDDやSSDの故障率として参考になる。