Ridgelinezは1月26日、オンラインで記者説明会を開き、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」の導入から活用定着までを支援する「Microsoft Copilot for Microsoft 365向けコンサルティングサービス」の提供を同日から開始すると発表した。

一般業務向けにおける生成AIの活用率は頭打ち

新サービスでは、同社が生成AIのコンサルティング支援と自社活用から得た知見と、独自で作成した活用シナリオを用いて、企業が効率的に Copilot for Microsoft 365を導入し、効果的な活用ができるように支援する。

Ridgelinez Business Science Directorの高橋敏樹氏は「生成AIを活用して業務で効果を出すためには、ユーザーが正しく使える形にしたり、どのような場面で効果があるのかといったり、教育していくことが非常に重要となる」と話す。

  • Ridgelinez Business Science Directorの高橋敏樹氏

    Ridgelinez Business Science Directorの高橋敏樹氏

続けて、高橋氏は「昨年から企業における生成AIの活用が本格的にスタートし、当初はChatGPTを導入してプロンプト教育や活用事例集の配布など、定着化させることに取り組んでいたが、実務に利用するためには文書検索などの機能が必要となり、一般業務向けにおける生成AIの活用率は頭打ちになっているのが現状だ」と指摘。

社内で20~30%は利用するものの、それ以外は使用しないことから、各システムの特徴を把握して活用業務領域を明確することで生成AIの活用を最適化することが求められているという。

  • 各システムの特徴を把握して適材適所に生成AIを活用すべきだという

    各システムの特徴を把握して適材適所に生成AIを活用すべきだという

その点、Copilot for Microsoft 365は一般業務効率化を目的に幅広いユーザーを対象としているため、活用率の向上に向けた起爆剤になる可能性があるとのことだ。

  • Copilot for Microsoft 365は一般業務効率化を目的に幅広いユーザーを対象としている

    Copilot for Microsoft 365は一般業務効率化を目的に幅広いユーザーを対象としている

実業務に合わせてCopilot for Microsoft 365の活用を支援

このため、新サービスはCopilot for Microsoft 365に閉じた検証・活用にとどまらず、既存の生成AIや企業なの他システムとの連携・棲み分けを見据えた検証・活用を実施。また、生成AIの効率的な評価・活用に向けて、同社では「教育」「活用・定着促進」「効果検証」「活用方針策定」の4つのフェーズで支援する。

Copilot for Microsoft 365の効果的な利用と費用対効果の最大化に向けて、企業がすでに利用している他の生成AIシステムとCopilot for Microsoft 365の機能重複を整理し、実業務に合わせた活用ができるようにするという。

機能重複を整理する際は、例えば既存の生成AIシステムの特徴を踏まえ、活用領域を拡張させるなど、全体最適の視点を持って企業における活用の高度化につなげていくとしている。

さらに、生成AIシステムの導入で具体的な活用を試行錯誤し、手探りで進めている企業が多い現状に鑑みて、Copilot for Microsoft 365の活用があらかじめ期待できる領域のユースケースを想定した「機能活用シナリオ」「定型業務活用シナリオ」「固有業務活用シナリオ」の3つのシナリオを用意。

  • 3つのシナリオの概要

    3つのシナリオの概要

機能活用シナリオはCopilot for Microsoft 365の各機能をベースとし、定型業務活用シナリオは会議運営や資料作成などCopilot for Microsoft 365の各機能の組み合わせで遂行する定型的な業務を想定。固有業務活用シナリオは、企業固有の業務に対応する活用を特定してシナリオを作成し、効率的なCopilot for Microsoft 365の導入と活用を支援する。

  • 定型業務シナリオの例

    定型業務シナリオの例

説明会では、TeamsによるWeb会議効率化のデモを実施。会議の途中参加者がこれまでの会議内容を把握するためのまとめ作成や、会議中に議論を踏まえた論点を出したり、会議終了後に次のアクションを含めた会議のまとめを作成したりする様子が公開された。

  • デモで行われた議論を踏まえた論点の例(画面右側)

    デモで行われた議論を踏まえた論点の例(画面右側)

高橋氏は「実際にユーザーが使いこなすには、教育や利用場面の周知が必要となるため、当社としてはシナリオベースを活用してもらえればと考えている。また、社内においてCopilot for Microsoft 365をどのように位置付け、他社の生成AIも含めて整合性を取るのかという点もコンサルティングとして提供していく」と述べていた。