Microsoftや各PCメーカー、そしてIntelやAMD、Qualcommといったプロセッサメーカーは、「AI PC」(AIを内蔵して強化されたPC)を2024年のテーマとして掲げている。Windows PCをAI PC化する上で核となるのはもちろんAIアシスタント機能のCopilotである。TrendForceが、「Market research, price trend of DRAM, NAND Flash, LEDs, TFT-LCD and green energy, PV」において、MicrosoftがWindows AI PCの実現に向けて最小メモリ要件を16GBに設定したと報じている。

  •     Press Center|TrendForce - Market research、price trend of DRAM、NAND Flash、LEDs、TFT-LCD and green energy、PV

    Press Center|TrendForce - Market research, price trend of DRAM, NAND Flash, LEDs, TFT-LCD and green energy, PV

Windows AI PCの最小メモリ要件

実用的なAI PCを実現するには、AIに最適化されたプロセッサや十分な容量のメモリを搭載したハードウェアが必要となる。MicrosoftはCopilotのWindowsへの統合に注力しており、CopilotをWindows AI PCの基本要件にする方針である。その一方で、現在発売されているコンシューマー向けPCは、AIの性能を引き出す上ではまだ十分なスペックとは言い難い。

TrendForceのレポートによると、MicrosoftはAI PCのDRAMの最小要件を16GBに設定したという。現在のWindows 11の最小メモリ要件は4GBであることを考えると、単にWindows 11が動作するだけではAI PCにはなり得ないことが分かる。

Microsoftはプロセッサの最小要件も設定

TrendForceはまた、Microsoftはコンピューティング能力に対しても少なくとも40TOPS(1秒あたり40兆の演算)を要件としていることも伝えている。そして、40TOPSを満たせるCPUとしては、QualcommのSnapdragon X Elite、AMDのRyzen 8000シリーズ(Strix Point)、IntelのLunar Lakeが挙げられている。

Snapdragon X EliteやStrix Pointを搭載したPCの発売予定時期は2024年半ば以降、Lunar Lakeを搭載したPCの発売予定時期は2024年以降(2024+)とされている。したがって、Microsoftが設定した40TOPSの要件を満たすPCは、本稿執筆時点ではまだ市販されていない。

一般ユーザーが使用するコンシューマPCで、これらの要件をクリアするのは容易ではなさそうだ。しかしAI PCを推進したい各社の意向を考慮すれば、2024年の後半から2025年にかけて、PC市場は大きく成長するかもしれない。