日立ソリューションズは1月10日、自動運転車(SDV)に不可欠な、車載ソフトウェアのシステム開発手法であるモデルベース開発のテスト工程を効率化する「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版を発表した。1月11日から提供開始する。稼働環境はWindows10(64ビット版、32ビット版)、価格は個別見積もり。

  • 「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版の特長

    「モデルベース開発ソリューション」の「時系列データ自動テストソフトウェア」最新版の特長

同製品はこれまで、MILS環境(関数単位や処理ブロック単位での検証用に使われるシミュレーション環境)やSILS環境(実機相当テストをPC上でシミュレーションする環境)において、熟練者が目視で確認していたテスト結果を既存のテスト結果と自動比較し、テスト工程の工数削減と品質向上を実現してきた。

最新版では、MILS環境とSILS環境での自動テストによる評価に加え、実機相当テストのシミュレーションができるHILS環境(実機を仮想的に再現した環境)のテストにおいても、時間の推移とともに変化する加速度、車速、トルクなどの時系列データの理想値とテスト結果を、相関係数と許容誤差を用いて自動で比較することが可能。

  • 「モデルベース開発ソリューション」の時系列データ自動テストソフトウェア最新版のイメージ

    「モデルベース開発ソリューション」の時系列データ自動テストソフトウェア最新版のイメージ

これにより、HILSや実車で検証された既存のテスト結果と、新しく開発されたモデルのテスト結果を自動で比較し、品質劣化の確認や対象モデルの継続的な改善が可能。上流工程でソフトウェアを実行することで、設計工程における問題点やリスクを早期に検出し、工数削減と品質向上を実現するとしている。

日立ソリューションズは今後も車載ソフトウェアの開発を通じて、安全で快適な人と車が調和するスマートモビリティ社会の実現を支援し、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)に貢献していく構えだ。

なお、日立ソリューションズは、1月24日~26日に東京ビッグサイト(東ホール展示棟 E47-37)にて開催される「オートモティブ ワールド2024」 第1回 SDV EXPO 車載ソフトウェア開発展に、同ソフトウェアを出展する。