米Googleは12月14日(現地時間)、2024年1月4日に「Chrome」ブラウザでのトラッキング・プロテクションの一般テストを開始することを明らかにした。デフォルトでサードパーティCookieへのWebサイトアクセスを制限することで、クロスサイトトラッキングを制限する。
同社は、2024年後半を目標としてサードパーティCookieの廃止に取り組んでいる。プライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)イニシアチブを設け、フィンガープリントのようなユーザーから隠された方法でトラッキングする技術を制限し、ユーザーのプライバシー保護を強化しながら、広告とオンライン上でのビジネス機会を生み出す技術の開発を進めている。これは英国競争市場庁(CMA)との議論を踏まえて公開しているスケジュールに則ったもので、トラッキング・プロテクションを一般ユーザーに提供するテストは、計画通りにサードパーティCookie廃止に移行するための重要なマイルストーンになる。
トラッキング・プロテクションのテストはユーザー全体の最大1%に適用される。テスト参加者はランダムに選ばれ、選ばれるとデスクトップまたはAndroidでChromeを開いた際に通知が届く。サードパーティCookieはデフォルトで制限されるので、ユーザーが設定で機能を有効にする必要はない。サードパーティCookieが制限されると適切に動作しないWebサイトもあるが、問題が生じるWebサイトでは、アドレスバー右側に表示される目のアイコンから、ユーザーがサードパーティCookieを一時的に許可することが可能である。
最大1%の大規模テストの開始により、開発者はサードパーティCookieを使用せずに関連性の高いコンテンツと広告を提供するソリューションの準備状況と有効性を確認する実地テストを行えるようになる。Googleはインタレストベースの広告を有効にする「Topics API」、リマーケティングやカスタムオーディエンスのユースケース対応を可能にする「Protected Audience API」、広告のコンバージョンを測定する「Attribution Reporting」、データと共有ストレージのクロスサイトデータを使用して概要レポートを生成する「Private Aggregation API」などを用意している。