金融機関向けの通貨処理機や情報処理機の開発・製造・販売を行うグローリーは11月29日、日本中央競馬会の東京競馬場および京都競馬場の指定席エリアにおいて、顔認証技術を活用した入退場管理の実証実験を実施したと発表した。

2023年11月4日~12日に東京競馬場、2023年11月18日~26日に京都競馬場でそれぞれ実施。同実証実験では、入退場の際、QRチケットを準備することなく、「顔」だけで入退場可否を判定できる新たな仕組みを検証した。

具体的には、顔画像登録端末で自身の顔画像を登録しておくと、指定席エリアへの入退場時は顔認証端末に顔をかざすだけで、本人認証ができ入退場ができるようにした。

  • 競馬場の指定席エリアで顔認証技術を活用した入退場管理の実証実験を実施

    競馬場の指定席エリアで顔認証技術を活用した入退場管理の実証実験を実施

同実証実験では、約1500人の来場者が入場の際、レース直前に再入場が集中する状況において、安定的に入場できる認証性能を有する必要性があり、顔認証による入退場管理の実用性・利便性や、登録と認証にかかるスピード、認証精度がどこまで担保できるかなどを検証した。

その結果、入場時の顔画像登録は平均約5秒で来場者自身が行え、また、入退場時の顔認証は平均約1秒の認証を実現。再入場のピーク時には、1分間で約100名の認証を行い、混雑を緩和し、負担のないスムーズな入場を実現させたという。

  • 顔画像登録・認証端末

    顔画像登録・認証端末

さらに、帽子とマスクを着用した厳しい条件下でも、99.5%という精度の本人認証率が保持できていることも確認できた。同社は、同実証実験により顔認証による入退場管理の実用性・有効性を確認し、2024年3月に指定席エリア向け無人入退場ソリューションの実用化を目指す。