日鉄ソリューションズ(NSSOL)は11月29日、日新火災海上保険、日新火災情報システムとともに、日新火災の基幹システムにおけるモダナイゼーションプロジェクトを開始し、その第1弾として、「労災あんしん保険」システムの代理店直接契約業務のオープン化を実行し、2023年7月から業務利用を開始したと発表した。

同プロジェクトは、計画構想が2019年から行われ、完遂まで10年以上の期間を見込んだ大規模なものとなっている。「労災あんしん保険」システムは、2021年3月から開始され、工数にして350人月超、実期間として2年超の期間を経て完成した。

モダナイゼーションの対象となる基幹システムは、メインフレーム上にCOBOLを用いて構築され、1988年12月に業務利用が開始された。13システム/約1,220万ステップ(COBOL、アセンブラ等)で構成され、利用開始以降、改修・改良が重ねられてきた。一方、この基幹システムは商品間のプログラムが密結合だったことから、商品開発を柔軟に進めることが難しい状況だった。

また、レガシーシステムを扱う人材の枯渇・ホスト資材の価格高騰リスクや、オープン系システムの増加に伴う開発費・保守運用費の二重コスト・負荷増大といった課題も抱えていたため、現行メインフレームから脱却し、新たなオープン系基幹システムの構築を見据え、基幹システムのモダナイゼーションプロジェクトが始動したという。

システム構築にあたっては、Microsoft Azureを採用し、PaaSをベースとしたクラウド基盤を構築。メインフレームは、商品間のプログラムが疎結合となる様にCOBOLをJavaにリビルド手法で開発しなおし、データモデルは全ての保険種目を考慮し、一新した。

アプリケーションはローコード開発製品で画面を構築、バックエンドはAPIの構成、Azure DevOpsを中心とするCI/CDの仕組を取り入れるなどの工夫も行われているという。