DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に力を入れる花王は11月16日、グループ国内勤務者約2万8,000人を対象にデジタルスキル向上のための新システム「DXアドベンチャープログラム」を17日より開始することを発表した。

プログラムは、DX人材の適正に合わせて「全社DXリーダー」「部門DX推進者」「全社員」の3つのレイヤーを設置し、習熟度などに対応した「DX Beginner」「DX Inter mediate」「DX Advanced」「DX Expert」「DX Leader」の5つのレベルを用意。レベル保持者には、デジタル証明書「オープンバッジ」を授与、社内外でのスキル可視化を行うと共に社員のモチベーション向上を図る。11月より全社員を対象にアセスメントを実施、社員個人にフォーカスした学習プログラムの提供を開始する。2024年からは各部門で求められる人材育成のための教育スペースを設置していく。

  • 「DXアドベンチャープログラム」(同社資料より)

  • スキルを可視化し社内外に公開可能なデジタル証明書「オープンバッジ」(同社資料より)

以前より、IT技術者ほどではないがITツールを使いこなし業務課題の発見、改善などに取り組むことが可能なセミプロ的位置づけの「シチズン・ディベロッパー」の育成に力を入れており、現時点で約1,000人の育成に成功している同社はプログラムを実施することで、2027年度末までに累計で全社DXリーダーを150人、部門DX推進者を300人、シチズン・ディベロッパーを2,000人育成することを目指す。

同社は2018年に先端技術戦略室を発足、2022年12月には消費者と直接アクセスするための双方向デジタルプラットフォーム「My Kao」を開始。2023年1月に「DX戦略部門」を新設するなどUX(顧客体験)を重視した「UX創造企業」を目指しDX人材育成に力を入れている。