MastercardとNECは11月14日、アジア太平洋地域における生体認証決済の提供に向けた戦略的パートナーシップの覚書(MOU)を締結したことを発表した。

両社は、アジア太平洋地域を皮切りにグローバルで店舗における生体認証決済の提供を推進していく方針。また、生体認証決済の提供により、加盟店および消費者はシームレスで安全な先進的な決済体験を利用可能になるという。

昨今、グローバルにおいて生体認証の利用が進んでおり、Mastercard Biometric Checkout Program Consumer Research, 2022の調査では、アジア太平洋地域の消費者の82%は何らかの形で生体認証を利用しているということが分かっているという。同様に、決済領域にも生体認証の導入が進んでおり、2025年には生体認証を活用した決済額が3兆ドルを超えるとも言われている。

Mastercardは、顔をかざす・手をふると言った簡単な動作だけで決済が完了する仕組みの実現に向け、他社と連携するための「バイオメトリック・チェックアウト・プログラム」を提供しており、2022年にはブラジルで実証を行っている。

同プログラムは、金融機関や加盟店、テクノロジーベンダーが遵守すべきセキュリティ・データ保護・プライバシーなどの要件を提供しており、NECはこのプログラムに立上げ当初より参画し、両社は連携を進めてきたという。

同プログラムに加盟する店舗は、待ち行列の短縮・セキュリティ強化・衛生面の向上といった効果を得ることができ、さらに、ロイヤリティ・プログラムをチェックアウト・システムに統合することで、購入時に、より迅速で、さらにカスタマイズされた特典の提供を可能としている。