NECは11月1日、長野県松本市が運営するデジタルシティ松本推進機構(DigiMAT)が支援しているプロジェクトの採択事業者として、学生の生活に役立つ情報の発信や就職活動支援などを行うためのプラットフォーム「マルチライフサポート基盤」の構築・実装に向けた取り組みを開始することを発表した。

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松本エリアは、県外からの進学などにより若者の転入が多いエリアである一方、若者が就職のタイミングで都市部へ離れてしまうなど、地域に定着しないことが課題となっているという。そのため、地域に対する愛着心を醸成するための取り組みが重要となっている。

NECは、イベントをより価値あるものにする新しいサービスを提供し、イベントのDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する「FORESTIS」をベースに、マルチライフサポート基盤を構築した。FORESTISはLINEをタッチポイントとして周遊促進や街の活性化を目指すサービスで、利用者の属性やコンテンツ閲覧履歴、行動履歴を収集、統合的に分析することが可能なサービス。

これを松本市のスタートアップ企業であるプルグラデザインとの協業により、学生向けWebメディア「シンダイガイド」と連携して街の情報やイベント情報、就職活動に関する情報などを発信する。

また、マルチライフサポート基盤上で実装するコンテンツの企画には信州大学の協力を得て、学生自らが参画し、データ分析にも携わることができる体制を構築する予定。収集したデータを分析することで、より学生のニーズにマッチしたコンテンツやサービスを創出することができるという。学生に対する地域への理解深耕や地域でのコミュニティ形成を促進し、地域への愛着心を醸成することで、松本エリアへの定住率向上を目指す。

具体的な取り組みの第一弾として、2023年11月4日・5日に開催される信州大学の学園祭にて、イベント情報の発信と大学構内回遊型の謎解きラリーを実施し、マルチライフサポート基盤上でどのようなデータを収集、分析できるのか検証する調査事業を行う予定。