24時間365日、世界120カ国・1万名以上の講師とマンツーマンでレッスンを受けられるオンライン英会話サービス「DMM英会話」。同サービスを運営するDMM.comは8月1日、ChatGPTを搭載したAI英会話サービス「DMM英会話 AI Beta版」をローンチしたと発表した。リアルな講師のネットワークを持つことを強みにDMM英会話を展開してきた同社が、なぜAIを導入した英会話サービスを打ち出したのか。生成AIの登場によって、今後、英語学習のスタイルはどう進化していくことが予想されるのか。DMM英会話 代表の坂根健太郎氏と、同 CTO 兼 COOのルーク・マクロホーン氏に伺った。

  • (左から)DMM英会話 代表の坂根健太郎氏と、同 CTO 兼 COOのルーク・マクロホーン氏

社内で進んでいたAI活用の取り組みを、会長の言葉が後押し

ChatGPTが話題になり始めた2023年春、DMM英会話で教材作成を担当するチームでも、ChatGPTの使い方を議題にしたディスカッションが始まった。マクロホーン氏はChatGPTを活用することで「社内プロセスの効率が良くなることは分かった。さらにユーザー向けにも何かつくれるのではないかという話が出た」と当時を振り返る。すぐに簡単なプロトタイプを作成し、開発を担当するチームとも、現在のChatGPTの技術でどれくらいのことが実現可能なのか、さまざまな検証を行ったという。

実はマクロホーン氏は、東京大学でコンピューターサイエンスと言語学の博士号を取得した経歴を持つ。数年前から、「初心者向けにAIを使った英会話アプリをつくれるのではないか」と考えていたが、これまでの技術では自然な会話が可能なAIの開発には、トレーニングのハードルの高さやコストがかさむといった課題があり、実現に向けて踏み出せてはいなかった。だが、ChatGPTであればそれらの課題を解消できる。

「ずっとこのようなプロダクトをつくりたいと考えていましたが、ツールがなかったのです」(マクロホーン氏)

ちょうどそのタイミングで、DMMグループ全体としてAIに取り組むという方針がDMM.comの創業者で会長 兼 CEOを務める亀山敬司氏から発表された。「では、DMM英会話では何ができるのか」と考えた結果、ChatGPTを搭載したAI英会話をリリースする方向性が決まったと坂根氏は話す。こうして8月1日、「DMM英会話 AI Beta版」が正式ローンチされたのである。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら