オープンワークは10月30日、「ゼネコン大手5社の働き方レポート」を発表した。同レポートは、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」に寄せられた社員のクチコミから、「2024 年問題」への対応を迫られている建設業界の働き方を読み解いたもの。
働き方改革の一環として、労働基準法の改正による時間外労働の罰則付き上限規制が24年4月から建設業界にも適用され、残業規制が厳しくなることから、「2024年問題」といわれている。
ゼネコン大手5社とは、鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店、5社の平均残業時間は50.33時間で、全業界平均(2 3.39 時間)の2倍以上であることがわかった。
一方、OpenWorkに集まったゼネコン大手5社の社員のクチコミを見ると、「労働時間の短縮に向けて社外へのアウトソーシングや業務の効率化を進めている」といった肯定的な声が見受けられたという。
しかし、建設業界の仕事は、建物の完成までに発注者や建設地の地域住民、職人など関わる人が多岐にわたり、「自分の思い通りに時間を調整しにくい」などの声も上がっている。業界の特徴や構造上の課題を踏まえた根本的な解決策が打ち出されていないことに対し、実際に働く社員からサービス残業の増加や若手の離職を懸念する声が見られたとのことだ。
ゼネコン大手5社の総合評価は5点満点中3 24点と、全業界の3.06 点を上回っている。「待遇面の満足度」「社員の士気」「社員の相互尊重」「20 代成長環境」「人材の長期育成」の5 項目のスコアは高い傾向が見られたという。
これらのうち、「人材の長期育成」は3.10点となり、全業界(2.64点)より0.46点上回り、社員の育成面に強みがあることが考えられると。同社は分析している。