NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月25日、愛知県刈谷市が2023年度に実施するスマートシティの取り組み「課題解決型実証プロジェクト」に参画し、「バス利用者の移動需要(乗降情報など)の把握」と「刈谷ハイウェイオアシス駐車場のスムーズな利用」の2つの実証プロジェクトを11月から実施することを発表した。
バス利用者の移動需要(乗降情報など)の把握では、刈谷市公共施設連絡バス「かりまる」の一ツ木線を用いて、AI(Artificial Intelligence:人工知能)カメラを活用したバス利用者の正確な把握とバス運転士の負担軽減効果を検証する。現在は運転士がバスの乗車人数を手書きで調査しているため、負担が大きいのだという。
バス乗降口にカメラを1台ずつ設置することで、乗降者をカウントしてバス停ごとの乗降人数を把握する仕組みだ。なお、録画データは記録せずに乗降者のカウントのみに用いられる。バス運転士の手書き調査や集計作業による負担を可視化し、AIカメラを活用した自動集計による負担軽減効果を確認する。
将来的には、AIカメラを活用した利用者の属性まで幅広いデータを取得することで、地域の公共交通の整備に活用していくことを想定しているという。実証期間は11月1日~30日。
刈谷ハイウェイオアシス駐車場のスムーズな利用では、刈谷ハイウェイオアシス第1~3および5駐車場で、AIカメラを活用した駐車場の混雑状況のリアルタイム把握と、効果的な情報発信方法を検証する。
刈谷ハイウェイオアシスに近い駐車場では来場者が集中し、遠い駐車場は空いていても誘導ができていない課題があるという。また、駐車場の満空情報は来場者が現地に到着してみないと分からないのだという。
そこで、当該の各駐車場の出入口付近にAIカメラを設置し、車両台数をカウントし混雑情報について把握する。こちらも、録画データは記録せずに車両のカウントのみに用いられる。さらに、来場者向けのWebページで混雑情報を発信するだけでなく、駐車場付近に混雑情報を発信する看板を掲示し、事前の行動変容を促して空いている駐車場へのスムーズな誘導を行う。
将来的には施設内にもAIカメラを設置し、人流や属性データを取得して刈谷ハイウェイオアシス全体の混雑予測や施設運営の最適化にも活用していくことを想定しているようだ。実証期間は、11月3日~5日は混雑情報を発信せず、11月18日、19日、25日、26日に混雑情報を発信する。